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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

恐竜絶滅と日本の大後退政策

生態系地位(ニッチ)とは、生態系においてある種が占める空間・役割のことを意味する生物学用語です。一般的に、一つのニッチは一つの種が占めるので、あるニッチにおけるある種の興隆は、別の種の衰退を伴うことになります。哺乳類の爆発的進化と繁栄が、恐竜が占めていたニッチを埋めるものであったことが好例です(6500万年前の隕石衝突で恐竜絶滅)。

このアナロジーは経済にも当てはまります。1980年代の世界経済において、「ハイテク加工製品の主供給者」のニッチを占めていたのが日本でした。第二次大戦後、世界の商品輸出に占める日本のシェアは拡大を続け、1986年には9.9%に達しました。

しかし、日本のシェア拡大は1985年のプラザ合意によって止められ、1993年のクリントン米大統領の円高誘導後は低下トレンドに反転してしまいました。2011年には4.5%となり、1965年の水準まで逆戻りしています。クリントン円高誘導は、日本にとって隕石衝突のような衝撃だったことになります。

日本が大後退したことにより生じたニッチを埋めたのが中国と韓国です。1950年代末の「大躍進政策」によって大後退した輸出市場における中国のシェアは21世紀に入ると爆発的に拡大し、2011年には10.4%に達しました。 韓国も日本に肉薄しています。

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日本は恐竜のように絶滅しなかったので、ニッチを奪還することも可能だったのですが、多くの日本の技術者が中国や韓国に技術を移転したことによって妨げられました。

円高を放置して日本のニッチ縮小を促進し、さらにはライバルのニッチ拡大を助けていたのですから、「失われた20年」における経済政策・経営戦略は、日本の「絶滅」を意図したものであったと言われても仕方がないでしょう。自国経済を大後退させた点においては、大躍進政策」に匹敵する失政だったのです。