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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

バビル2世とヘリコプターマネー

金融

3/29に BS朝日バビル2世の第16回「幻の100兆円」を放送していました。敵役のヨミが東京上空から大量の偽一万円札(この時点では「このお金はにせ札です」と印刷)をヘリコプターからばら撒いた後、国家保安局局長を「我々はここ(注:偽札工場)で作った100兆円の日本円を世界中にばら撒く。たちまち日本の経済は大混乱を来たし、歴史始まって以来の不況が訪れる。」と脅迫する内容です。(当時の日銀券発行残高は現在の1/10の7~8兆円なので、現在では1000兆円が市中にばら撒かれることに相当します。)

ヘリコプターから紙幣をばら撒く("helicopter" drop of money)アイデアは、ミルトン・フリードマンが1969年に金融政策の効力に関する思考実験として示したものですが、それが73年放送の日本アニメに使われていたのが印象的でした。

ばら撒かれたのが偽札と分かっていれば、現金取引の大幅縮小による経済混乱は避けられません。しかし、偽札とばれないまま密かに1000兆円が市中に出回ったらどうなるでしょうか。直感的には、消費増加→インフレになりそうですが、それなら、偽札とばれない限りは真札と同じ効力があるので、安倍・黒田コンビが狙うデフレ脱却は1000兆円の現金を市中にばら撒けば確実に達成できることになります。アベノミクス反対派に多い「人為的にインフレを実現することは不可能」という主張は誤りということです。

もちろん、本当に紙幣をヘリコプターからばら撒くわけにはいきませんが、何らかの政策によって家計の所得・金融資産を十分に増加させれば、確実にデフレから脱却できることになります。

家計の所得・金融資産を十分に増加させる現実的な方策とは何かについては、「金融政策の基礎解説」シリーズで取り上げる予定です。今回は、ヘリコプターマネーについての記事を紹介しておきます。

(上のリンク記事は2ページ目以降が会員限定です。日本経済新聞電子版では全文が読めます。「 [FT]ヘリコプターマネー擁護論 日本でも有効」で検索してください。) 

リンク先記事の「FSAのターナー長官の講演」はこちらです。

Mephistopheles(メフィストフェレス)とは、ゲーテの『ファウスト』に登場する悪魔のことです。ファウスト』第二部では、財政が苦しいある国において、メフィストフェレスが紙幣を大量発行したところ、財政難は直ちに解消し、沈滞した経済が活況に転じるエピソードが描かれています。

「BISのチーフエコノミストだったウィリアム・ホワイト氏」の関連記事はこちらです。世界的金融バブルの危険性をいち早く指摘していた専門家の1人です。