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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

信用創造は悪魔との取引か

最近、信用創造に関する記事が続いていますが、これは、現代の貨幣経済の基盤である信用創造について正確に理解して頂きたいためです。

「無から有を生み出す」信用創造は、一見するとエネルギー保存則に反するためか、ほとんどの人が本能的拒否反応を示すように思えます。「バビル2世とヘリコプターマネー」で紹介したゲーテ『ファウスト』第二部でも、悪魔メフィストフェレスが紙幣を大量に発行したことを聞いた皇帝は反射的に「詐欺だ」と叫んでいます。(直後に大臣たちから財政難解決・景気好転の報告を受けて「それならOK」としましたが。) 

このエピソードの本質は、「貨幣は交換の手段に過ぎないので、それ自体に価値がある必要はない→いくらでも作ることが可能」ということです(本物と偽物の区別がつけられればよい)。

しかし、『ファウスト』第二部発表から180年が経つにもかかわらず、このことを理解できない知識人は少なくないようです。このような人々は、信用創造を「後で代償を支払わなければならない悪魔との取引」とイメージしているようです。

刷った紙幣がすべて借金になるようなやり方で、将来の世代にどんな社会を引き継ごうというのでしょうか

政府が国債発行→日銀が買い取る→政府が日銀券を受け取る→財政支出によって市中に日銀券が出回る、という政策で得られる現在のプラスは将来のマイナスと不可分、と言いたいようですが、果たしてそうでしょうか。この政策の有効性については金融政策の基礎解説シリーズで取り上げる予定ですが、読者の皆さんもお考えください。