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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

就活4月解禁と「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」

政府が経済界に、大学生の就職活動解禁時期を4ヶ月遅らせて4年生の4月以降にするように要望していると報じられています。

本分である学業をそっちのけにして3年生の間から就活に励まなければならないというのは本来は異常なことです。経済同友会の長谷川代表幹事の「学生の質の低下を憂えるなら企業も応えるべきだ」という言葉が有言実行となることを期待します。

昔は4年生の9月だった就活解禁時期がどんどん早期化していった背景には、労働市場の規制緩和・自由化を正しいこと、とする思想があります(企業が青田買いしており、建前と現実の乖離が大きかったことも)。しかし、自由化とは秩序が崩壊するということでもあり、企業は「早く内定を出さないと他社に優秀な学生を採られてしまう」という恐怖心から「採用時期の前倒し競争」へと駆り立てられてしまいました。何らかの「力」によって新卒者市場の秩序を回復し、企業の恐怖心を払拭することが、就活正常化のカギになるでしょう。そのためには、自由化論者が嫌う政府の介入も選択肢の一つになります。「少子化対策は環境規制に学べ」で述べましたが、社会全体の厚生を高めるためには、全員にルール遵守を強制する政府の力は不可欠なのです。

競争から社会全体の利益という視点が失われると、チキンゲーム(レース)のように、個々人と社会全体の厚生を低下させる"race to the bottom"になってしまう可能性が高まります。最たる例が軍拡競争で、無意味と分かっていても「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」(by モロボシダン)を続けるざるを得ないのです。

アメリカの経済学者 ロバート・フランクは、著書"The Darwin Economy"で、個々人と社会全体の厚生を高めるために無意味な競争を抑制することの重要性を論じています。自由競争は無秩序・やりたい放題と紙一重であることにはもっと注意が払われるべきと思われます。

The Darwin Economy: Liberty, Competition, and the Common Good

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