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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

学校で誤った金融知識を教えられる高校生

先日、高等学校社会科の副読本を読んでいたら、銀行について以下のような記述を見つけました。

銀行の仕事は、資金に余裕がある人々の貯蓄を預金として集め、それを資金が不足している家計や企業に貸し出すことである。

当ブログ読者には、この記述が誤っていることがお分かりになると思います(お分かりにならない方は、過去記事をお読みください)。

銀行貸出に先立って預金が存在する(預金が銀行貸出の原資になる)のではなく、銀行貸出によって預金が創造される、というのが現代の銀行業における信用創造です。現代の金融の基本原理とは真逆のことが学校で教えられているのです。

実は、この副読本の記述は、金貨や銀貨が使われていた時代の銀行業のことです。

ある人が金貨10枚を銀行に預けるとします。銀行は預金者に金貨との引き換えを保証する預かり証書(=兌換紙幣)を発行して渡します。銀行が貸金庫業者と異なるのは、金貨10枚相当以上の兌換紙幣を発行できることです。預金者が金貨を引き出す確率が低く、銀行は預金額の10%を手元に保有しておけば十分とすると、銀行は、残り9枚の金貨に対して90枚相当の兌換紙幣を発行し、資金不足の人や企業に貸し付けられます。預金された10枚の金貨が、100枚相当の兌換紙幣に増殖したわけで、これが過去の銀行業における信用創造です。

最新の知識が学校教育に反映されるまでに時間を要することは理解できますが、経済の基盤である銀行業に関して大昔のことを載せ続けているのはさすがに問題でしょう。一刻も早く記述が改定されることを望みます。

 

副読本の持ち主である高校生には「『現代の銀行業と信用創造は・・・なので、この記述は間違っているのでは』と教師に質問してみろ」、とけしかけておきました。教師がどう答えるのかが楽しみです。