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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

黒田日銀の「見せ金」作戦の成否を握る為替市場

の続き的な内容です。

日本銀行は4/4の金融政策決定会合で、2年間でマネタリーベースを倍増させる「次元が違う」金融緩和に踏み切りました。3月の平均残高は135兆円なので、270兆円が目標ということになります。

マネタリーベース135兆円=現金87兆円+日銀当座預金残高47兆円で、現金は市中(家計や企業の手元)にあり、日銀当座預金は現金が市中に流れずに在庫として積み上がっているものです。2年間で市中の現金が135兆円も増えるというのは非現実的なので、大部分は日銀当座預金残高の在庫になると予想されます。(詳しくは過去記事を参照)

一般の商品にたとえると分かることですが、在庫を積み上げても最終需要は増えません。日銀が日銀当座預金に現金の在庫を積み上げる→家計や企業の現金需要が増える=経済活動が活発化→デフレ脱却、という論理展開には無理があります。

しかし、黒田日銀の狙いは別にあるのかもしれません。成否を握るのが為替レートの動きです。270兆円という巨額の「見せ金」によるサプライズ効果円売り投機を誘発することができれば、輸出主導で景気が拡大するため、資金需要は自然に増えてきます。

通常の金融緩和では、日銀が金融緩和する→銀行の貸出条件が緩和される→企業や家計の資金需要が増える、という流れで景気が拡大しますが、今回は、日銀が巨額の見せ金を用意する→為替市場参加者の心理が「円余剰」に傾く→円安→輸出主導の景気拡大&株高→内需に波及、の迂回路経由の景気拡大が起きる可能性が十分あります。

黒田総裁は4/5の記者会見では為替レートについて、

一般論として、他の事情が等しければ、金融を大幅に緩和した国の為替レートが下落する傾向があることはその通りだと思います

と答えるにとどまっていますが、財務官時代に13兆円強の円売り介入を行ったことからも、為替レートの重要性を熟知していると思われます(黒田の後任財務官の溝口善兵衛が、35兆円円売り介入による史上最長の景気拡大の立役者です)。この度の金融緩和策の真の狙いは円安かもしれません。

当面は、見せ金作戦による円安・株高の持続力に注目です。