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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

サーベラスの廃線提案/サッチャー死去/ヒースロー空港で感じたこと

巨大投資ファンドのサーベラス(※1)が、 西武鉄道の経営陣に一部路線の廃線を求めていたようです(正式には否定)。

おそらく大半の日本人は「投資家の利益拡大は公益企業の利用者の利益・利便性に優先する」という思想を「正しい」とは感じられないでしょう。個の利益は社会の利益に優先する、という理屈が通れば、 人々が互いに相手から利益を奪い合う「万人の万人に対する闘争」状態になってしまいますが、これを望ましいとは思わないからでしょう。

しかし、サーベラス関係者のようにこれを望ましいと思う人もいます。その代表が「社会などというものは存在しない」という有名な言葉で知られる先日死去したサッチャー元英首相です。このような新自由主義(Neoliberalism)信奉者にとっては、社会の不文律に縛られずにやりたい放題(これが「自由」の意味)できる世の中こそ理想なのです。

数年前、ロンドンのヒースロー空港で乗り継ぎのためにかなり長時間待たされる機会がありました。その時に違和感を覚えたのが、成田空港や関西空港ではたくさん用意されている椅子がまったく見当たらないことでした。仕方がなくカフェ(確かスターバックス)で一休みしたのですが、その後、下のリンク先記事を読んで事情が理解できました。空港の民営化のためだったのです。

空港運営のプライオリティを利用者の利便性に置けば、長時間待たされる利用者のために椅子が用意されるのは当然です。しかし、収益最大化に置けば、待ち時間を座って過ごす人からも金を搾り取ることが当然ということになります。ヒースロー空港から椅子が撤去されて有料カフェばかりになってしまったのは、利用者の利便性(非金銭的価値)よりも運営会社の利益(金銭的価値)を優先する思想の帰結なのです。上の記事では、コスト削減のために大雪への備えを怠っていたことも指摘されています(大津波と電力会社が連想されます)。

日本では国鉄民営化がサービス向上につながったためか、公益事業・公共施設の民営化・民間委託に対する警戒感は薄いようで、「市民公園に有料カフェを入れる」「役所の無料展望スペースを縮小して有料レストランを入れる」などが行政改革として称賛される傾向にあります。しかし、何らかの歯止めを設けておかないと、日本各地に「ヒースロー空港」が出現する可能性があることには警戒しておくべきではないでしょうか。少なくとも私にとっては、待ち時間をゆったりと過ごせる今の日本の空港のほうが快適です。

 

(※1)サーベラスとは『ハリー・ポッター』にも登場する冥界の番犬ケルベロスのことです。

 


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