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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

少子化は過剰投資の裏返し

人口・少子化

前回記事「外人エコノミストが警告するアベノミクスの不安材料」では、日本経済の過剰投資体質を是正しなければ、金融緩和→円安・株高による景気拡大はいずれ行き詰まってしまうことを説明しました。

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高水準の投資が正当化されるのは、成長余地が大きく投資機会が豊富な成長期の経済ですが、成長期の経済では人口構造も「成長期」にあるのが一般的です。成長期(若年)人口が急減しているにもかかわらず、成長期と同じ投資を行えば、経済社会に歪みが生じることが避けられません。

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その歪みとは、高水準の投資を正当化しなくなっていることそのもの、すなわち若年人口の急減=出生率低下に他なりません。日本人が忘れているのは、将来の需要家=消費者がいなければ投資をする意味がないことと、消費者=人を育てるには時間とコストがかかることです。経済を長期的に持続可能な軌道に乗せるためには、機械や構造物等への投資と、人を育てる「投資」の両輪が欠かせないのです。高度成長期の終焉後も高水準の投資を続け、出生率を低下させたことは、両輪のバランスが崩れてしまったことの表れです。人を育てる「投資」は統計上は消費に分類されるので、日本経済に求められる「投資から消費へのシフト」は、機械や構造物等への投資を次世代育成への投資にシフトさせることと言い換えてもよいでしょう。

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出生率低下の背景には様々な要因がありますが、注目すべきは男女雇用機会均等法が改正された1985年から急落が始まったことです。このことは、日本の労働環境が(特に女性の)結婚・出産を阻害する反社会的なものであることを暗示しています。

一方、同時期に日本とは逆に出生率を上昇させたのが北欧諸国です(アメリカは人種や宗教的要因があるため、ここでは論じません)。北欧諸国は高出生率というイメージがあると思いますが、実は80年代後半までは日本よりも低く、デンマークでは一時現在の日本と同水準まで低下していました。それが反転上昇した背景には、政府の積極的な介入によって手厚い子育て支援や良好なワーク・ライフ・バランスが確立したことがありますが、それを支えているのが「子供が育たなければ社会は持続できない→子育てしやすい環境整備を経済社会政策の上位に置く」という思想です。仕事を頑張り過ぎて子供を産み育てられずに衰亡していく日本と、頑張り過ぎずに子育てを含むライフを満喫する北欧のどちらが賢明かは明らかでしょう。

日本が過剰投資体質と低出生率から脱け出せなければ、やがては大量の移民を受け入れざるを得なくなる可能性が濃厚です。その外国人たちは、日本人がライフ/消費を犠牲にして形成した資本ストックを使って生活することになります。これは、日本が19世紀末からの半世紀間、朝鮮・台湾・満州に行った膨大な投資が、最終的には朝鮮人・台湾人・中国人への貢物になったことと同じ構図です。自分の子孫を残すことは諦め、外人のためにライフ/消費を犠牲にして資本ストック形成に励むことは私には愚の骨頂としか思えないのですが。

これほどまでに子育て・次世代支援に冷淡な政策が続けられるのは、子育てを配偶者に任せきりにした仕事人間の中高年男性が政策決定の中枢を占めているからではないかでしょうか。

【CM 1989-91】三共 Regain 30秒×7 - YouTube