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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

「20年を失って」いなければ今でも世界第二の経済大国

5/17【NHK『メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ』が見落とした1993年のミッドウェイ】では、1991年前後での製造業の生産性上昇率の減速に比べて、1人当たり実質GDP成長率の減速が激しかったこと、すなわち、生産性を上昇させても円高のために売れない→製造業に大打撃→「失われた20年」であったことを解説しました。

では、1人当たり実質GDP成長率の減速が製造業の生産性上昇率の減速と同率だったら、現在の実質GDPはどうなっていたでしょうか。1973年前後では、製造業の生産性上昇率は10.0%→4.1%(0.41倍)、1人当たり実質GDP成長率は8.1%→3.3%(0.41倍)と同率で減速しているので、1991年前後でも同率で減速したという想定は非現実的なものではありません。

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製造業の生産性上昇率は1991年前後で4.1%→3.2%(0.77倍)なので、1人当たり実質GDP成長率がこれと同率で減速したとすると、現実よりも+1.9%ポイントの2.6%になります。

現実の2012年の実質GDPは520兆円(2005年価格)で1991年比1.18倍ですが、1人当たり+2.6%が続いていれば、1991年比1.70倍の765兆円(同)になっていたことになります。765兆円/520兆円=1.47倍なので、日本経済はほぼ1/3を失った計算になります。

IMF統計によると、2012年のGDPは中国が8.2兆ドル、日本が6.0兆ドルですが、日本のGDPが1.47倍だと8.8兆ドルなので、依然として世界第二の経済大国ということになります(現実には2010年に逆転)。

労働力人口の変化などは考慮していない、かなり単純化した計算ではありますが、日本が失った所得の大きさが(おそらく読者の想像を超える)途方もない額であったことがお分かりと思います。これが、アメリカを怒らせない(という日本の勝手な思い込み)ことの代償です。高かったか安かったかは、読者の判断にお任せします。