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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

アメリカで国民皆保険ができなかった理由で自壊する北欧諸国

ヨーロッパでは大きなニュースになっていたスウェーデンの暴動が、ようやく日本でも報道され始めました。

焦点:移民大国スウェーデン、暴動で露呈した「寛容政策」のひずみ | Reuters

かつてはヨーロッパの貧乏国だった北欧諸国は、独自の経済・社会モデルによって世界トップクラスの所得水準と生活満足度の社会を実現するに至りましたが、その終わりの始まりが見えてきたのかもしれません。*1

5/3の記事「エスタブリッシュメントと大衆の溝が深まるヨーロッパ」でも指摘しましたが、移民問題の根底には、ヨーロッパのエリートが移民受け入れに異常なイデオロギー的執着をしていることがあります。日本には「過去の日本の悪行を自己批判すればアジア人は親日的になる」と勘違いしている日本人がいますが、ヨーロッパのエリートの思想も「ヨーロッパ優越主義を批判して多文化主義・文化相対主義を推進し、ヨーロッパを多種多様な民族の混住地にすれば、平和で文化的に豊かな社会が形成される」という負けず劣らず荒唐無稽なものです。彼らの願望に反し、日本もヨーロッパも現実はその逆に向かっています。

ソマリアパキスタンなどの部族社会の人々を集団で受け入れ、「自分たちの文化を守って生活してください」 と言えば、もともとのスウェーデン人とは相容れない掟に支配される部族社会が国土内に誕生するのは必然です。出身地の「部族社会」の意識で生きる移民男性が白人女性を襲う性犯罪も頻発しています。多文化主義とは、国内に「解放区」を林立させるものでした。

移民の子供たち(二世・三世)にスウェーデン人と同等の教育をすれば、スウェーデン人と同等の知的水準を獲得し、スウェーデン社会に溶け込める、というのも希望的観測に過ぎませんでした。個人形成には家庭や地域社会で継承される文化が大きく影響するからです。

知的水準は学校教育に加えて家庭教育も大きく影響する→同じ学校教育を受けても、家庭の教育力が高いスウェーデン人の子供は移民の子供よりも知的水準が高くなる→スウェーデン人が高所得の職業に就き、移民二世・三世は低所得の職業か失業に甘んじる→同じ教育を受けたのに差別されたと受け止める→怒り爆発、ということです*2

ベルギーオランダ語圏vsフランス語圏のように、ヨーロッパ文化内でも民族対立は珍しくないのに、非ヨーロッパ文化の集団を大量に受け入れれば、次元の異なる民族対立・少数民族問題が生じ、社会に亀裂が走るのは必然です。2年前のノルウェーの77人殺害テロ事件や今回のスウェーデンの大規模暴動は、北欧諸国の高福祉・高負担を可能にしていた国民的一体感が崩壊しつつあることを示しています。

第二次大戦後に先進国で国民皆保険(英国ではNational Health Service)が実現した背景には、総力戦が国民に一体感をもたらしたことがあります(お互い助け合う精神)。唯一アメリカで実現しなかった理由の一つには、白人の黒人差別感情が一体感を上回ったことが指摘されています。

北欧社会の国民的一体感を支えていたのは民族的同質性でしたが、それを自ら破壊すれば、国民的一体感も崩れ、高福祉・高負担による高満足度社会も維持も困難になっていく可能性が高いでしょう。*3

日本では少子化の議論に際して「女性に出産を強要するな/移民を受け入れれば少子化でも問題ない」と主張する人がいますが、日本国中に異民族の「解放区」が出現することや、国民の一体感が崩れることまで想定しているのか疑問です。男女平等が進んだ北欧を理想とする論者に多いように見受けられますが、北欧の成功例だけではなく失敗例からも学ぶべきでしょう。

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タイガー・マザー

タイガー・マザー

*1:労働者に要求される労働負荷が重くなると、①特に女性が非労働力化する、②女性が働き続けると非婚化・少子化が進む、が起こります。①は現在の労働者数の減少、②は将来の労働者数の減少、ひいては総生産量(GDP)の減少を意味します。労働負荷を軽くする→労働者数が増える→総生産量は増える、という逆転の発想で大成功したのが北欧モデルです(「税率を引き下げると税収が増える」と主張したラッファー・カーブのようなもの)。

*2:アメリカでユダヤ系や東アジア系が社会的に成功する理由として、家庭での教育力が高い→高学歴→高所得の職業に就く可能性が高いことが指摘されています。

*3:EU参加によって他国との交流が増えることも、自国内での一体感を減らしてしまう要因です。