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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

高齢化が金融政策の効力を低下させる

先進各国では大規模な量的緩和にもかかわらず、景気の拡大ペースははかばかしくありませんが、その原因の一つに人口の高齢化があることを示唆するIMFのワーキングペーパーが発表されました。

高齢化は金利変化に対するインフレ率と失業率の感応度を低下させることが、米加英独日の5か国のデータから示された、と結論しています。

[p.29]

Societies dominated by young households would tend to be more sensitive to interest rate changes than graying societies. Monetary policy may therefore become less potent in a society going through a demographic transition to an older population

一般的に、

  • 人間は高齢になるほど保守的になり、アニマルスピリットを失う。
  • アニマルスピリットが欠如すれば、多少の借入金利低下では投資を十分に喚起できない。

ことが知られていますが、この二つからは

  • 人口が高齢化すると金利引き下げによる景気(投資)刺激効果が低下する。

という仮説が立てられます。これはペーパーの結論と合致しています。

ペーパーの理論・モデルの説明部で詳述されているように、高齢化した経済社会における金利変化の景気への影響には様々な経路があるため、結論を急ぐことはできませんが、十分にあり得ることように思えます。

8/27【エマニュエル・トッド『最後の転落』に見るソ連と日本の共通点】では、ソ連の「年功序列と序列上位者への服従を昇進の判断基準」とする人事システムが、知力に優れた者のやる気を失わせ、社会を停滞させた一因であるというトッドの指摘を紹介しましたが、近年の日本も似た状況に陥っているように思えて仕方がありません。日本が超高齢化社会になることは確定していますが、それがソ連のような停滞社会になってしまう危険性には注意してもし過ぎることはないでしょう。