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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

立ち読みで済ませた本:『成長戦略のまやかし』『そして日本経済が世界の希望になる』

二冊合わせて10分強もあれば十分でした。

成長戦略のまやかし (PHP新書)

成長戦略のまやかし (PHP新書)

例によって「第8章 円高が切り拓く日本の未来」とトンデモ論理を展開しています。

「第7章 「異次元の金融緩和」はなぜ失敗したのか」では「低下するどころか上昇した長期金利」と、得意の「国債暴落→外債シフト」のキャピタルフライトシナリオを唱えています。おそらく、執筆時期が金利上昇期だったのでしょうが、4~6月に急上昇した長期国債利回りは7月になると反転し、昨年末よりもやや低い水準に逆戻りしています。4月の量的緩和拡大を見越して3月に強まった投機的な国債買いによって下方オーバーシュートした長期金利が元の水準に戻ったということでしょう。長期的に見ると、依然として歴史的低水準にあり、国債暴落と騒ぐには程遠い状況です。

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金融や経済の分析に比べると読む価値があるのは、「第5章 地方が生み出す東京」です。日本の特色である多様性を活かす方向に進むべき、という提言には同意できます。金融分析は除いてこの部分を掘り下げていれば良書になった可能性があったのですが。

これまでのクルーグマンの主張をまとめたもので、目新しい分析・提言はありません。クルーグマンが「インフレ達成のために中央銀行はインフレを達成すると唱え続けよ」という言霊主義者であることが改めて確認できます。インフレ率を引き上げるトランスミッションメカニズムがない(あるいは極めて弱い)ために、各国の中央銀行は苦闘しているのですが。

少子化対策として、子育て家族への給付の手厚いフランスやスウェーデンを参考にせよ、という金融以外の提言には参考になるものもあります。内容とは関係ありませんが、タイトルが売らんかなです。