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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

給与と物価の動向:現代日本と大恐慌期のアメリカ

日本経済団体連合会が、安倍総理大臣の賃上げ要請に応じる姿勢を示しました。

雇用者報酬はGDPの6割を占める家計消費の原資なので、その減少はGDPの伸びを抑制します。下のグラフは、消費者物価で実質化した現金給与総額が、1997年4月の消費税率引き上げ直前のピークから10%以上も減少していることを示しています。これでは経済全体の成長が鈍化するのは必然です。

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大恐慌期のアメリカでも、実質給与(賃金)は急減しました。工場労働者の平均給与は名目で半減、実質でも3割も減少しました。しかし、1933年4月の金本位制停止・ドル安を境に急増に転じ、35年後半には実質で恐慌前の水準を回復しました。ルーズベルト政権のリフレーション政策・ニューディールによる経済回復過程では、賃金の伸びが物価の伸びを上回り、実質賃金が増加したことが重要です。

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1933年4月から1年後には、平均時給は恐慌前の水準をほぼ回復しています。企業は労働コストを時給ではなく労働時間で調整したことになります(時給維持+時短)。37~38年の景気後退においても、時給は維持され、労働時間で調整されています。

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雇用者数も平均給与と連動して回復しています。

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大恐慌のアメリカでは、実質賃金は3割減でしたが、3年半後には急上昇に転じました。一方、現代の日本では、実質賃金は1割減にとどまっていますが、16年以上経っても反転上昇の兆しは見えません。賃上げが無ければ、来年4月の消費税率引き上げによる実質賃金減少は不可避であり、日本経済の再興が遠ざかってしまいます。

物価よりも賃金を増加させる政策が求められます。

 

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