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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』の陰に隠れたお勧め本

2/7【ジャレド・ダイアモンド著『文明崩壊』に異論】では、ヨーロッパ文明が世界を制覇した理由を追ったピューリッツァー賞受賞作『銃・病原菌・鉄』について触れましたが、テーマは同じにも関わらず認知度の低い先行作品があります。

ヨーロッパ帝国主義の謎―エコロジーから見た10~20世紀

ヨーロッパ帝国主義の謎―エコロジーから見た10~20世紀

全世界を支配したヨーロッパ文明ですが、現在、ヨーロッパ系住民が人口の多数を占めているのは新大陸*1に限られ、アジアとアフリカにおける人口面での優勢確立には失敗しました。新大陸では、ヨーロッパに存在した病原菌や動植物がヨーロッパ人の味方になって原住民や生態系を駆逐したものの、アジアやアフリカではその「武器」が通用しなかった*2ことを第一の理由としている点で、ダイアモンドと共通します。

『銃・病原菌・鉄』では、ヨーロッパ文明の世界制覇の理由についての考察*3が深められていない点を物足りないと感じた人にお勧めなのがこちら。

数量化革命

数量化革命

音楽、絵画、会計は古代から世界各地の文明に存在しましたが、数学的技法の用い方(五線譜、透視図法、複式簿記)にヨーロッパの特徴があり、その「世界を数学的に把握しようとする思考」が科学技術の発展につながっていったという内容です。

一六世紀文化革命 1

一六世紀文化革命 1

一六世紀文化革命 2

一六世紀文化革命 2

人間(ホモ・サピエンス)が「火を投げる」ようになったことが、他の動物に対する優位をもたらした、とするこの本もお勧めです。「正確に投げる→微妙なタイミング制御が必要→リズム感の発達」や、「強力な火を高速で遠方に投げたい」という本能的欲望が飛行機やロケットの発明を促した、など、興味深い考察が満載です。

飛び道具の人類史―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで

飛び道具の人類史―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで

クロスビーの本を読むと、ダイアモンドが過大評価に感じられてしまいます。

*1:クロスビーは「ネオ・ヨーロッパ」と呼称しています。

*2:アフリカでは逆にヨーロッパ人が土着の「武器」に苦しめられ、内陸部への浸透が遅れました。人口がまばらだった南アフリカでは、北上するヨーロッパ人と南下するバントゥー系黒人が衝突しましたが、人口面では黒人が圧勝しました。

*3:ヨーロッパの地理時特徴で説明。