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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

基礎学力がつくる安全社会

政治・歴史・社会

日本の教育の基本方針を考えるうえで大変参考になる記事がJBpressに掲載されています。 

いつも書いていることだが、日本は義務教育の質が良く、したがって国民の、昔の寺子屋でいう「読み、書き、そろばん」という基礎知識のレベルが揃っている。つまり、学力レベルの最低線が抜群に高い。

OECDの「大人の学力テスト」については10/12【教育再生実行会議の大躍進政策】でも取り上げましたが、日本は平均が高く分散が小さい(←最低水準が高い)という理想的な結果でした。

底辺のレベルを高く保つことの重要性に関する指摘は重要です。

確かに、貧富の差が極端に大きい社会にはモラルの根づくチャンスは少ない。裕福な人は富を守るために、そして、貧しい人は少しでも富を得るために自己中心的になる。

その貧富の差を作るのが基礎学力の差だ。そして、基礎学力の差をもたらすものが、義務教育の差。つまり、義務教育がうまく機能すればするほど、学力の格差は少なくなり、知的水準が上がり、社会は平等になる。

義務教育の充実ほど、将来に希望をもたらす前提はない。そして、この素晴らしい前提を享受してきたのが日本だ。なのに、日本人はその素晴らしさにあまり気づいていない。

高成長を続けた日本がバブル崩壊後に経済停滞(失われた20年)に陥ったことを「無能の証明」と嘲る欧米人が多くいましたが、自国も同様の事態に陥った近年では、「長期停滞を続けているのに破局的事態を回避しているのは驚異的」と、評価が逆転しています。日本の異常な粘り強さの一因に、国民の教育格差が小さいことがあることは確実です。

底辺の水準を高く保つことは、社会の安定にも寄与します。OECDの「成人の技能に関する調査」では、日本とフィンランドが高い技能を示しましたが、この2国は囚人数の少なさでも世界トップクラスです。

「世界の国と地域の平和度ランキング」 による世界162カ国を対象とした調査では、…ちなみに2012年のリポートでは、刑務所に収監されている人の数は上位10カ国の中ではフィンランドと日本が非常に低いことが特筆されていた。

…only 59 per 100,000 of Finland’s population were in jail in 2011; among the top ten nations, only Iceland and Japan are lower. 

教育改革を推進する日本の一部エリートには、世界中の優秀な人材が集まるアメリカが理想郷に見えるのかもしれませんが、

  • 教育格差・貧富の格差の拡大・固定化
  • 犯罪多発(1980年代に比べると減少しましたが)・大量の囚人

がその裏面でもあります。アメリカ型の教育改革によって日本社会の素晴らしさを自壊させることは避けなければなりません。アメリカをモデルにした政治(選挙制度)改革や企業ガバナンス改革が成功とは言えなかったように、隣の芝生が青く見えるのは錯覚の可能性が高いということです。

 

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