読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

人口減少の楽観視は危険

人口減少は経済成長には影響しない、という見方があります。

人口が減少しても、1人当たり実質GDP成長率で経済成長を見る限り、経済成長には影響はないということだ。

しかしながら、この楽観論が今後の日本にあてはまるとは限りません。

人口減少すると経済成長ができないというイメージは、過疎地域にある。たしかに、社会的な人口移動によって、働き手が都会に出てゆき、その結果、老人と子供が多く、生産年齢人口(15~64歳)が極端に少ない地域では、所得が発生しようがない。ただし、これは特定地域の話であり、国全体としてみれば、移民などの社会移動があっても、ここまで極端に生産年齢人口が減少することはない。

一難去ってまた一難~“Fade away”に向かう日本】で述べましたが、27年後には日本全体が55歳以上人口が過半の準限界集落になると予測されています。

f:id:prof_nemuro:20140115175313g:plain

さらに注目しなければならないのは、医療や介護で多くの経済資源を消費する75歳以上の後期高齢者の増大です*1。人口そのものは2020年代後半で頭打ちになりますが、生産年齢人口1人当たりの「負担」の増大は止まりません。

f:id:prof_nemuro:20140115175310g:plain

高齢者への医療や介護は、経済的には“bridge to nowhere”と同じで、経済成長の足を引っ張ります。

また、若い生産年齢人口の減少は、生産性上昇につながるイノベーションを減少させることも懸念されます。

どう考えても楽観的にはなれません(タイムホライズン次第ではありますが)。

政治家が少子高齢化に熱心ではないのは、冒頭記事のような楽観論を信じている(信じたい)からでしょうか。

20~64歳人口がピークアウトして後期高齢者の「負担」の増大ペースが速まった1998年に、円高・デフレの逆噴射政策を採って15年を無駄にしたことが悔やまれますが、後の祭りです。

 

関連記事

*1:75歳以上の国民医療費は13兆円、1人当たり89万円に達します(2011年度)。