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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

過当競争の弊害を韓国社会に見る

過当競争が非婚化と少子化を招く】では、競争的な教育システムが、試験の成績は高めるものの、出生率低下を招いて長期的には国の衰退をもたらす危険性を指摘しましたが、それが顕著なのが韓国です。

大学進学率が80%に達する韓国では、SKY(ソウル大学高麗大学延世大学)卒でなければ財閥企業への就職が難しい状況になっています。科挙などの試験に合格することで社会的ステイタスを獲得する伝統も、有名大学志向の強さの背景にあると言われています。もはや「教育が国を富ませる」段階を通り越し、互いの潰し合い、競争のための競争、血を吐きながら続ける悲しいマラソンの状況に陥っていると見られます。

世界経済を破綻させる23の嘘

世界経済を破綻させる23の嘘

[p.246]

それにしても、「教育の向上が国を富ませる」というあたりまえのように思える主張を裏付ける証拠がほとんどないというのはどういうわけか? それは端的に言えば「生産性向上にとって教育はわたしたちが思っているほど重要ではない」からである。

[p.253]

誰もが大学へ行きたいと思えば、高等教育への需要が増大し、その需要を満たそうと大学の数が増え、入学率はさらに上がり、大学へ行かなければならないという人々の想いは一段と強まる。こうして“学位インフレ”が起こる。つまり、誰もが学士号をもてば、他人より目立つには修士号を、いや博士号を取得しなければならなくなる、ということだ。そうした上の学位を取得しても、未来の仕事の生産性を向上させるのには最小限しか役立たないとしても。

若者の自殺率の高さ(生徒の1/4が自殺を考えたと回答)がそのことを裏付けています。

多くの生徒を試験勉強に駆り立てることで、国際学力調査で上位の成績を勝ち取ったわけですが、当然、そのために失ったものもあります。

  • 家計を圧迫するほどの教育支出は、投資効率の低い“bridge to nowhere”の可能性が高い
  • 社会全体での適正な人材配分を歪める:【医師が増えると国が傾く】を参照
  • 結婚・出産を阻害して少子化をもたらす
  • 人格形成を歪める
  • 「勝ち組」の「自分は特別な人間」「苦労したのだから見返りを得て当然」という意識を強める→エリート層が経済格差を肯定するようになる、汚職・収賄が蔓延する

などです。教育の真の価値は見失われているようです。

[p.255]

教育は大切なものだが、その最大の価値は生産性を向上させる力ではない。教育はわたしたちの潜在能力を引き出してくれるし、精神的に豊かで自立した生活を送れるように手助けしてくれる。それこそが教育の価値である。

韓国の大学修学能力試験(CSAT)の過熱ぶりは、皆が同じ顔に整形することとともに、韓国社会の価値観が一元的であることも示しています。

日本の強みは、韓国のように価値観が一元的でないところにあります。「韓国に負けるな」と競争至上主義に走ってその強みを失うことには注意を払うべきでしょう。

お笑い大蔵省極秘情報

お笑い大蔵省極秘情報