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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

中国の一人っ子政策と高貯蓄率の関係

少子化・ジェンダー

中国の不動産バブルが崩壊する日】では、中国の不動産バブルが一人っ子政策の意図せざる帰結であるとの説を紹介しましたが、今回は、それと関連する内容です。

子供を産まないのは自由だが、対価は支払わなければならない】と【少子化対策としての年金改革(前回記事の補足)】で説明しているように、老後の生活費を得る手段には、

  1. 勤労期間に蓄えた貯蓄(資産形成)
  2. 子供からの所得移転(子育て=投資の回収)

の二種類があります。

一人っ子政策では2.が制限されるので、代替として1.の増加すなわち貯蓄率上昇を招くと推測できます。

貯蓄率に影響を与える要因は他にも多くあるため、一人っ子政策前後の貯蓄率を比較するだけでは、政策によって貯蓄率がどの程度上昇したかを知ることはできません。しかし、このペーパーでは、双子が生まれた世帯と一人っ子世帯を比較する"natural experiment"によって、貯蓄率への影響を推計しています。

それによると、

  • 子1人の増加は家計貯蓄率を6~7%低下させる。
  • 所得に占める食費の割合は2.5%ポイント、教育費は7%ポイント上昇する。
  • 双子の親は一人っ子の親に比べて老後の消費が多い。
  • 一人っ子の親は子に高等教育を受けさせる傾向が強い(量を質で補う)。

などということです。

もっとも、膨大な人数の一人っ子が大学に進学した結果、大卒者は空前の就職難に見舞われています。

これは男の結婚難につながります。

現在の中国の各所に生じている歪みの多くが、人口爆発一人っ子政策で抑え込んだことから生じていることになります。その歪みの大きさが半端ではないわけですが。

 

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