Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

経済再生における所得増加と財政出動の重要性

現在の日本の経済政策のヒントを、アメリカの大恐慌期のセクター別名目GDP(粗付加価値額)から探ります。

f:id:prof_nemuro:20140221092503g:plain

当時のアメリカは工業化された資本主義経済なので、大部分は非農業ビジネス(企業)が占めており、GDPの動きは非農業ビジネスセクターの動きで決まっているように見えます。

しかし、【大恐慌における金融政策のレジーム転換と量的・質的金融緩和の比較】と【給与と物価の動向:現代日本と大恐慌期のアメリカ】で見たように、大恐慌脱却のきっかけは、1933年4月の金本位制停止→ドル安→農産物価格上昇→農業所得増加で、それを後押ししたのが連邦政府財政出動でした(ニューディール)。

下のグラフからは、GDPの約1割を占める「農業+連邦政府」が牽引する形で経済全体が底打ち・拡大していったことが見て取れます。経済全体に占める割合は大きくなくても、民間企業活動を活発化させる導火線としての重要な役割を果たしたということです。

f:id:prof_nemuro:20140221092501g:plain

経済再生には、民間部門の所得と雇用を生み出す政策が必要というインプリケーションが得られるわけですが、日本では、家計部門の実質所得を3%減少させる消費税率引き上げが4月に迫っています。

大恐慌期のアメリカでは、農産物価格上昇が農家所得増加に直結しましたが、現在の日本では、価格上昇による所得増加は企業という「ダム」にいったん貯められるため、企業が水門を開いて家計に向けて「放水」しなければ、所得増加の好循環が始まらないことも、当時のアメリカと現在の日本の相違です。物価上昇が即所得増加につながらないことが、アベノミクスのウィークポイントです。

経済界がアベノミクスによる経済再生を願うのであれば、安倍首相の要請に応えて自ら水門を開かなければなりません。家計は消費増税で血を流すのだから、企業も賃上げで血を流さなければ筋が通らないと思いますがどうでしょうか。