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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

ソニー化する日本

NEC化するソニー】と【米金融業界に倣ったソニーの失敗】の内容と重なる記事が掲載されています。是非、全文をお読みください。

ソニーの凋落を示す象徴的な話だが、いったい何がソニーを変えてしまったのだろうか。元幹部たちの話を総合すると、その原因は以下の3点に要約される。

  • 経営陣の劣化
  • 米国型経営の導入
  • モチベーションの低下

辞めた人たちの自己正当化バイアスがかかっていることは否めませんが、全体としては的を射た指摘でしょう。1990年代にマスコミや一部学者が唱えた「日本的経営を捨ててアメリカ式経営に移行せよ」という改革の帰結です。

社外取締役の多用が経営にはプラス」という学説が机上の空論であったことは、米欧の経験が証明していますが、ソニーもその実証例の一つになってしまいました。(なぜこのことを予測できなかったのか不思議です。)

「トップを代える権限を持っているのは取締役会です。そこが動かなくてはならないのに、当事者意識の薄い社外取締役ばかりなので、何も動かない。社外取締役たちを仲間にしてしまえば、トップの座は安泰なのです」

不気味なのは、ソニーの凋落が、日本の凋落の縮図に見えることです。たとえば、守りを重視し、リスクを極度に嫌う「凡庸な官僚的人物」が上層部を占め、「知力に優れた者」が排除される点です。(真に凡庸な人はそう思わないでしょうが)

「……それにしても、ソニーは変わってしまった。われわれの世代が築いた技術屋の魂は受け継がれていない。人事部や営業部出身で、技術の先読みができない文系の人間が出世している。もうソニー精神のかけらも残っていないでしょう」

技術力・生産力の軽視という点でも日本全体の先取りをしていたと言えます。タイムホライズンの短期化が顕著です(短期のゲインのために長期でロス)。

理科系冷遇社会―沈没する日本の科学技術 (中公新書ラクレ)

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それに加えて、気概の喪失も深刻です。

「私はソニーをやめる直前まで、アップルに対抗するためのビジネスを構築しようと必死になっていました。ところが、ある役員から『そんなことはやめてアップルに頭を下げてこい』と言われたんです。そのとき思わず、『あなたにはプライドはないのか』と聞き返しました。戻ってきた言葉は『プライドで会社が儲かるのか』。当時からすでにアップルの軍門に下るシナリオが進行していたということです」

アップル帝国の正体

アップル帝国の正体

明治維新や敗戦後の奇跡の成長を支えたのは、自立を目指した当時の日本人の気概でした。自立心や気概を失えば、日本統治以前の「停滞社会・朝鮮」と同じになってしまいます。*1

現代ビジネス記事の締めくくりのソニー」を「日本」に置き換えても違和感がないのは恐ろしいことです。

ソニーの使命は終わったと思いますね。創業後70年近くになります。これが人間なら、もう老人。もっと頑張れとは言わないでしょう。ソニーが全盛期を迎えていた時代には、グーグルもインターネットもなかった。時代が変わったんです。ソニーはこれまで世界に計り知れない貢献をしてきました。画期的な商品を生みだし、ハッピーサプライズを与えてきた。素晴しい会社だった。でも、もういい。静かに老後を迎えさせてあげてもいいんじゃないか。私はそう思います」

僕らがソニーに別れを告げる日は、すぐそこに近づいているのかもしれない。

アベノミクスもむなしく、南中を過ぎた太陽は、着実に西に沈みつつあるように思えます。ソニーのように、過去の蓄積で当座はしのげるでしょうが、いずれ限界が来ます。

残念ながら、静かな老後は迎えられないでしょう。

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さよなら!僕らのソニー (文春新書)

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最後の転落 〔ソ連崩壊のシナリオ〕

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*1:朝鮮の自立は、中華帝国に懲罰されるため不可能。

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