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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

民間企業は日本再興の頼りになるか

アベノミクス

本日、国内総生産の2013年10-12月期2次速報値が公表されたので、4日の記事【海外に漏れる財政支出が示す日本経済の死角】のグラフの改訂版を下に示しましたが、記事の本旨は変わりありません。

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名目季節調整系列の2012年4Qから2013年4Qへの増加額は、

  • 国内総生産:10.3兆円
  • 家計最終消費支出:8.0兆円
  • 民間住宅:2.0兆円
  • 民間企業設備+民間在庫品増加:0.6兆円
  • 公的需要:6.4兆円
  • 純輸出:-6.9兆円

となっています。公的需要増加は貿易赤字増加で相殺され、企業も慎重なスタンスのままで、家計だけが踊っている状況です。家計消費や住宅投資も、所得の伸びに支えられたものではなく、4月の消費税率引き上げに急かされたものと考えられるので、4月以降は反転・冷え込みの可能性が濃厚です。

このように見ると、日本経済回復の妨げになっているのが、投資も賃上げも渋って有効需要縮小に貢献する企業であることが鮮明になります。

アベノミクス始動後の円安・株高によるマインド改善にもかかわらず、企業の国内での慎重姿勢と積極的な海外展開が続いていることは、日本を見限る企業が増加していることを示唆しているように思えます。

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ゴーン社長 野田新首相と円高について協議 - YouTube

今回の意見交換で、我々日本企業は(日本に)期待し、(日本を)支持し、(日本で)戦う姿勢があるということを申し上げ、そのために最も深刻で重要な影響のある障壁、すなわち超円高という逆風を取り除いていただきたいということをお願いしました。

2年半前、日産自動車のゴーン社長は、日本企業は日本に期待し、日本で戦う姿勢があると語りましたが、そのような企業はそれほど多くなく、(法人税減税などで)取るものだけ取っていざとなったら日本脱出(敵前逃亡?)、が本音の企業が増えているとすれば、政府が笛を吹いても踊らない、最近の企業の行動の説明が付きます。「長期的には日本丸の沈没は避けられないのだから、踊りは他に任せて、早いところ脱出の準備を進めておこう」ということです。

バブル崩壊後、政府が廃仏毀釈のように日本的経営からの脱却*1を煽った結果、企業から「国のため」という意識が消え失せてしまいました。

「企業は,株主にどれだけ報いるかだ.雇用や国のあり方まで経営者が考える必要はない」

安倍政権は、民間企業主導の日本再興を構想しているようですが、企業がそこまで頼れる味方かを考え直すことも必要ではないでしょうか。*2

*1:企業に優しく、労働者に厳しい政策が採られました。

*2:何だか、民間企業が関東軍のように見えてきました。