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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

非婚化・少子化とローリスク・ローリターン志向

人口・少子化

非婚化・少子化先進国の日本には海外からも注目が集まっています。

特に関心を持たれているのが、男女交際からの逃避と、その裏返しとしての疑似恋愛ビジネスの興隆です。2月には、シンガポールのテレビ局も取り上げていました。

この問題は単純ではありませんが、主因の一つは、男女の社会的地位の変化です。男女平等の人権上の観念が一般化したことだけでなく、経済構造の変化が、男の経済的優位性を低下させたことも寄与しています。

14:50~の経営者の言葉「できる女性が増えてきたことが、内向的な男性にはプレッシャーになっている」が的確です。

これに加えて、「失敗が致命傷になる→リスクを取りたくない」という観念が経済社会全般に広がったことも、要因の一つとして指摘できます。クレーマー」「バッシング」「○○ハラスメント」「炎上」などの言葉の普及に示されるように、1980年代までと比べると、一般人でも不用意な発言・行動を糾弾される可能性が高まりました。糾弾は「弱者」の武器であり、その基準は得てして弱者=女の主観なので、強者=男にとって合理的な行動は、女へのアプローチを絶つことです(→草食化)。

男女交際に限らず、人付き合いには「面倒事」が付き物であり、耐性をつけるためには経験が欠かせません。慣れてしまえば大したことではなくても、経験が乏しいために耐性をつけられなかった男には、「耐えがたい苦痛」に見えてしまうわけです。もっとも、本能的な異性への欲求はあるため、「リスクフリーの恋愛」に走ることになります。7:30~ のキャスト(スタッフ)の「(期待とは異なる現実から)自分を守ろう守ろうとしている方が多い」がそのことを指しています。

たとえるなら、

  • 自動車運転の軽微な違反・事故が厳罰化される。
  • ペナルティを恐れて、運転しない人(ペーパードライバー)が増える。
  • その人たちにも運転願望はあるため、代償行為のシミュレーションゲームが流行る。

ようなものです。ハイリターンだがハイリスクの現実の行為よりも、ローリスク・ローリターンのシミュレーションで満足するわけです。バブル崩壊後に顕著になった日本社会のリスク回避志向は、男女関係にも及んでいることになります。

もちろん、男女不平等でセクハラが蔓延していた1980年代までを「古き良き時代」として称賛することはできませんが、その反動としての「ガバナンス強化」「コンプライアンス遵守」が、若者のチャレンジを妨げ、未熟者を作り出していることも忘れてはならないでしょう。番組でも言われていますが、その帰結として、日本は「死に向かう社会」になってしまっているからです。

地獄への道は善意で舗装されている」という言葉が当てはまるように思えます。

 

参考記事

「法令遵守」が日本を滅ぼす (新潮新書)

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テロリスト化するクレーマーたち (Forest2545Shinsyo 18)

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部長、その恋愛はセクハラです!  (集英社新書)

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