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マネタリーベースと中央銀行の存在理由

金融

FT主筆ウルフの金融解説「ハイパーインフレは杞憂」】の6.にあるように、銀行は貸し出すマネー(預金)を自前で創造できるので、貸出に先だって中央銀行の準備預金を必要としません。

それではなぜ中央銀行が存在するのでしょうか。

狸銀行の利用者Aが、同じ狸銀行の利用者Bに支払うとします。預金決済なら、狸銀行の内部で処理(A口座→B口座)されるので、何の問題も生じません。

Aが預金口座から狸銀行券(葉っぱを特殊加工したもの)を引き出してBに支払うとしても、Bは狸銀行の利用者なので受け取ります。銀行券を狸銀行に持って行って預け入れると、預金決済した場合と同じことになります。

問題は、Aが狐銀行利用者Cに支払う場合です。

Aが狸銀行券でCに支払おうとしても、Cにとっては見慣れないただの葉っぱなので、受け取ってくれません。同様に、Aの預金口座から狐銀行のC口座に送金しようとしても、「葉っぱの電子情報」を受け取ってくれません。

立場を入れ替えても同じことです。Aにとって、狐銀行券は葉っぱに過ぎないので、CとAの間では、マネーを用いた取引が成立しません。

AとCの間で取引を成立させるためには、銀行間決済に用いるマネーと銀行券を第三者が発行し、それを各銀行が調達して、銀行間決済や預金引き出しにあてればよいことになります。狸銀行券や狐銀行券の代わりに、共通の銀行券を用いるわけです。

第三者には信用が必要なので、国家の信用力と強制力をバックにした中央銀行がその役割を担います。中央銀行が、銀行間決済に用いるマネー(中銀当座預金)と銀行券を独占的に供給し、銀行はそれらを中央銀行が定めるコスト(金利)で調達しているのが現在の通貨制度です。

銀行が創造するマネー(預金)と、中央銀行が創造するマネー(マネタリーベース)は、用いられる場が違うことがポイントです。

なお、マネタリーベース(=銀行券+中銀当座預金)は、主に国債と引き換えに供給されますが、これはマネタリーベースと国債が代替的な資産であることを意味します。マネタリーベースは国家の信用力に支えられているので当然です。

この基本が分かれば、ウルフの記事やイングランド銀行の解説がよく理解できるはずです。

 

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