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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

労働分配率の近況

「残業代ゼロ」が話題になっています。

上のtweetのように、労働分配率低下を懸念する声があるので、最近の労働分配率の水準を確認しておきます。

労働分配率については、脇田成が2005年の論文で以下の指摘をしています。

近年懸念されることの多かった労働分配率上昇は,巨額の資本減耗費用を反映したものである。「所得」概念ではなく,「生産」概念で考察した労働分配率は「失われた10年」と言われる停滞期であっても,経験的にほぼ一定である。そして後者が理論的には望ましい性質を持つ。なお巨額の資本減耗費用が企業の潤沢なキャッシュ・フローを他方で生んでいる。

「生産」概念による労働分配率は、歴史的には低水準にあります。【『賃上げはなぜ必要か』が明かす日本の閉塞の構造】にも示しましたが、バブル崩壊後の「人件費の高止まりが企業利益を圧迫」する状況は、2000年代初頭に終わっています。

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一方、固定資本減耗の対GDP比は、1990年代末から高止まりを続けています。

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企業が過剰貯蓄に励むことが、家計消費を抑圧して経済全体の成長を妨げる「倹約のパラドックス」が生じています。

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企業を儲けさせる政策≠日本経済の停滞を打破する政策」であることへの配慮が求められます。

[p.197]

企業を優遇すれば、目先の経済指標は上向く。しかし、国民生活をなおざりにするような国は、長い目で見れば確実に国力を失っていくのである。決して多くない子供の教育さえままならない今の日本では、近い将来、国際競争力を失っていくのは火を見るより明らかである。

 

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