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「年金破綻」の厚労省批判は的外れ

厚生労働省が、公的年金の「平成26年財政検証結果」を公表しました。

政府が公約とする「所得代替率50%以上」を達成するためには、経済成長率等でかなり楽観的なシナリオが必要とされることが指摘されています。

財政検証結果が公表されるたびに、厚生労働省に対して「楽観的に取り繕っている」という批判が出ますが、厚労省を批判しても仕方がないことです。【「年金受給開始年齢75歳」の曲解と年金危機の本質】にも書きましたが、世代間の仕送りである賦課方式において、ある世代が受け取る年金は、「稼いでくれる次世代を育てたことの対価」です。「稼げる次世代育成」が厚労省の任務でない以上、年金給付の原資である「将来世代の稼ぎ」は厚労省にとっては「与えられる」ものであり、責任を追及されても応えようがありません。厚労省にできるのは、「目標水準達成にはどのような前提が必要か」という逆算です。

むしろ、その「楽観的な逆算の前提」を利用しようという動きが懸念されます。

所得代替率50%以上の達成には積立金の運用利回り引き上げが必要→株式運用比率を引き上げ」が既定路線となっているようです*1。【年金積立金のハイリスク運用でグリーンピアを思い出す】にも書きましたが、年金積立金で儲けたい人々が、「年金財政への貢献」を建前に群がってきているように思えます。

無理な目標を達成しようとすると、施策も無理なものになりがちなことには要注意でしょう。

*1:株価維持や釣り上げを狙った、かつての"PKO"や"PLO"が思い出されます。