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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

マイナス金利に関する誤解・その2

ECBのマイナス金利に関する典型的誤解】と同じ誤解をしている記事がありました。(以下、強調は引用者)

ユーロ圏にある民間金融機関は、中央銀行(ECB)に預金を預けます。ただ、ECBに積まれている預金のかなりの部分は、経済が安定している北欧の民間金融機関のものです。ここで預金にかかる金利をマイナスにすると、どうなるでしょうか。

マイナス金利になると、預金金利の分だけ損をします。ですから、民間金融機関は中央銀行から預金をおろし、企業や個人に貸し出したり、債券投資に使おうとしたりしはじめます。

マイナス金利とは、預金を置いておくと利息分がマイナスになってしまうということです。そうなると、当然ですが、民間金融機関は「日銀当座預金口座にお金を置かないようにしよう」と考えます。

その結果、何が起こるでしょうか。民間金融機関は、日銀当座預金に預けているお金を使って、企業や個人に積極的に融資したり、国債や不動産などの現物資産を買い入れようとしたりするでしょう。その結果、うまくいけば、景気が刺激されて一時的に回復する可能性があります。

貨幣乗数を否定するイングランド銀行】や【マネタリーベースと中央銀行の存在理由】などで説明しましたが、銀行が中央銀行に置いている預金(中銀当座預金)は銀行間決済に使うものであり、それを企業や個人等に貸し出しているわけではありません。このことはイングランド銀行が詳しく解説しています。

Importantly, the reserves created in the banking sector (Figure 3, third row) do not play a central role. This is because, as explained earlier, banks cannot directly lend out reserves. Reserves are an IOU from the central bank to commercial banks. Those banks can use them to make payments to each other, but they cannot ‘lend’ them on to consumers in the economy, who do not hold reserves accounts.

中銀当座預金が(銀行券に形を変えて)企業や個人に移動するのは、企業や個人が銀行預金を引き出して現金化する場合ですが、これは銀行が中銀当座預金を「貸し出した」ことにはなりません。銀行が貸し出す預金は、銀行が自ら創造したものです。

「スイスイわかる経済!“数字力”トレーニング」と銘打って日経のサイトに掲載する以上、正確な解説をしてもらいたいものです。