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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

"I'm not OK, You're OK"で自滅する日本

政治・歴史・社会

橋下大阪市長の発言が物議を醸しているそうです。

ノルマンディーに上陸して、連合国軍兵はフランス人女性を犯した。これはたまったもんじゃないと慰安施設を造った。これは歴史の事実だ。不幸な過去だし、二度とやってはならない」と述べた。

「慰安婦」問題を相対化する新著の紹介】で取り上げていますが、ノルマンディー上陸後の米兵の蛮行は欧米でも歴史的事実と認められています。満州・東欧・ドイツにおけるソ連兵と同罪ということです。

By the late summer of 1944, large numbers of women in Normandy were complaining about rapes by US soldiers. Fear spread among the population, as did a bitter joke: "Our men had to disguise themselves under the Germans. But when the Americans came, we had to hide the women."

橋下市長の「俺たちも悪いけど、お前たちも悪い」という論法を批判・揶揄する声が多いようですが、それは“I'm not OK, You're OK”と主張していることになります(満州におけるソ連兵や占領期の米兵の日本女性強姦はOK、日本兵の慰安所利用はnot OK)。

高山さんのコラムによると、日本の敗戦後、厚木にアメリカの部隊が入ったその日の夜、アメリカ兵による最初の強姦事件が起きたとあり、その十日後にも中野のアパートに押し入った米兵が制止する男性ら数人を殴り倒し、押し入れに隠れた女性を襲った等々の記録を当時の新聞から引き出している。

事件は全国的に広まり、一日で四六件もの強姦事件が起きたような驚くべき事実を挙げ、また、当時の調達庁が調べたところでは、一九五一年にサンフランシスコ講和条約が結ばれるまでの六年間で、実に二五三六人の日本人男性が、妻や娘を守ろうとしてアメリカ兵に殺害されたとある。

信じられるかい、二五〇〇人以上だぞ。止めようとした男性が二五〇〇人以上も殺害されているのなら、被害に遭った女性はどれだけいると思うのだ。

この根底には、自分たちを「子供のように無力」とする卑屈な心理があります。

As children we see that adults are large, strong and competent and that we are little, weak and often make mistakes, so we conclude I'm Not OK, You're OK.

この卑屈な心理は、1990年代以降の日本経済の急減速とも関係します。日本以外の国では、景気が悪化すると、為替レート減価→外需主導の景気回復が通常ですが、日本では「バブルが崩壊して景気が悪化したにもかかわらず円高」という異常事態が生じました。本来なら、強力な円安誘導策を発動するのが筋ですが、対外強硬派の小泉政権(2003~04年の35兆円介入)年と第二次安倍政権(2012年~のアベノミクス)を除くと、「円安は外国に批判される」「外国の真似(為替レート減価)をする必要はない」「円高は企業を鍛える」といういわゆる「シバキ主義」が支配的でした。その結果が製造業の海外移転(空洞化)と雇用の不安定化(非正規化)・賃下げです。

外国に物申す日本人をよってたかってバッシングする卑屈な心理が、外交・経済で日本の国益を損なってきたことは明らかですが、未だにその「逆ダブルスタンダード」を克服できない日本人が多いようです。自分では「正しい」と思っているのでしょうが、「地獄への道は善意で舗装されてい」ます。この心理を克服できなければ、日本の自滅は避けられないでしょう。*2

愛の空間 (角川選書)

愛の空間 (角川選書)

*1:いわゆる「犯人は大男」です。

*2:確信犯の反日勢力の存在にも要注意です。