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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

クルーグマンの16年前と2年前の金融理解

クルーグマンが、マネーや流動性の罠について16年前から理解していたと誇っています。

No, not at all. The irrelevance of the monetary base isn’t a generic issue, it’s something that happens when you’re in a liquidity trap — when interest rates are at the zero lower bound. And this is not hindsight. Way back in 1998, when I analyzed the liquidity trap in Japan, I predicted exactly this disconnect (pdf):

… and by those who claim that conventional economists like me just don’t understand that money is endogenous. Guys, I laid it all out 16 years ago.

しかしながら、2012年の著書には、金融のメカニズムについて怪しい理解をしていたことが記されています。

さっさと不況を終わらせろ

さっさと不況を終わらせろ

通常の時なら、シティは金利ゼロか低利の準備金口座に資金を寝かせておくのはごめんなので、資金を引き出して融資に使う。貸した資金のほとんどは、シティや他の銀行に戻ってくる――が、ほとんどであって、全額ではない。というのも人々は富の一部を通貨、つまり死んだ大統領の肖像画ついた紙切れで持ちたがるからだ。銀行に戻ってきた分の資金は、さらに融資できて、それが繰り返される。[p.202]

FRBが銀行から大量の国債を買って、その代金として銀行の準備金口座残高を加算するときに起きる、一連の出来事を考えてほしい。通常なら、銀行はその資金をそこに寝かせておこうとは思わない。それを融資に使おうとする。[p.204]

商業銀行がFRBから供給される準備預金を貸し出す→現金化される一部を除いて商業銀行に預金される→その預金を貸し出す→一部を除いて預金される→貸し出す→…の貨幣乗数モデルですが、これが現実とは異なることは、イングランド銀行が解説しています。

…, banks cannot directly lend out reserves. Reserves are an IOU from the central bank to commercial banks. Those banks can use them to make payments to each other, but they cannot ‘lend’ them on to consumers in the economy, who do not hold reserves accounts. …

Moreover, the new reserves are not mechanically multiplied up into new loans and new deposits as predicted by the money multiplier theory.

現実認識が誤っていても予想が的中することはある、あるいは、予想が的中することは現実認識が正しいことを保証しないことの好例と言えるでしょう。


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