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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

岩田元日銀副総裁の「消費増税はやるしかない」

岩田一政元日銀副総裁のインタビューが話題になりました。

円安と国債の二点について検証します。

今の円安は行き過ぎとの見方を示した上で、現在の情勢は、円安が「自国窮乏化」につながり、景気後退に至った2008年前半に似ていると警鐘を鳴らした。

円安にコスト増の負の効果があることは確かですが、日本にとって何より必要なのは、国内生産拡大(→輸出増 and/or 輸入代替)であり、そのためには価格競争力向上が欠かせません。残念ながら、日本製品の非価格競争力は全盛期に比べて低下しているためです。世界の輸出市場における日本のシェアが低下の一途にあることは、日本の価格競争力≒円相場が「過度の円安」にはなっていないことを示唆しています。


輸出停滞は「中国に競り負けた」ためか - Think outside the box

ウォルマートが値上げすればシェアを失うのと同様に、円高にすれば日本の輸出シェア(と国内生産)の反転拡大のチャンスは失われるでしょう。


Japan Walmart Of The Global Economy - Business Insider

"Think about what would happen to Walmart's stock price if it started raising prices," he said. "They'd have no competitive advantage. This is a market share game for them. So look what happened, the yen started appreciating — Walmart raising prices — and the Nikkei goes down, that's it. That's all you have to know."

国債についても、気になる発言があります。

3つ目のリスクは、消費増税を見送った場合、まずフィスカル・ドミナンスが起き、それが財政破綻につながることだ。「いつ民間が国債を持ちたくないと思うか、1つのめどはネットの貯蓄だ。まだ国債の吸収余力は残っているが、あと10年か、最悪だと5年以内か」という。

「民間貯蓄で国債をファイナンスしている」という意味のようですが、因果関係は逆で、国債発行が民間の金融資産を増加させます。


麻生大臣の(4年前の)国債解説 - Think outside the box

もちろん、このままでは労働力人口減少と供給力不足によって国債発行が制約される時期が訪れてしまうので、いずれは増税が避けられませんが、国債市場は「まだ猶予がある」とメッセージを発しているようです。

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岩田氏は「今の税・社会保障制度を維持すると、政府債務のGDP比率はどうしても発散する。そういうことを考えると、やるしかないというのが私の見解だ」と語る。

1997年の財政構造改革の際にも同じようなことが言われていたはずですが。「清水の舞台から飛び降りる」覚悟でのパールハーバー攻撃も思い出してしまいました。

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