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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

低医療費国ではなくなった日本

社会保障

本日(10/8)、2012年度の国民医療費の概況が公表されました。39.2兆円(国民1人当たり30万7500円)で、6年連続過去最高更新となっています。

GDP比はバブル崩壊後ほぼ一貫して上昇しています。特に、リーマンショック後の上昇が目立ちます。

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分子の国民医療費と分母のGDPのどちらの寄与かを見るために、対数化してみます(傾きが伸び率を表す)。*1

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1990年代半ばから名目GDPが拡大しなくなっているのに対して、国民医療費は持続を続ける「鰐の口」の状況です。家計にたとえると、給料が微減する一方で、老親の医療費は増え続けて家計を圧迫しているようなものです。近年では化石燃料価格高騰が日本経済を圧迫していますが、高齢者医療費の増加も経済のマイナス要因として無視できない状況です。

日本の医療費の対GDPは、主要先進国中では英国に次いで低いこと(低医療費)で知られていましたが、長引く経済停滞のため、 低医療費とは言えなくなっています。

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医療費抑制策に反対する日本医師会などは、上のデータを使って「日本は低医療費国→医療費抑制は不当」と主張していましたが、もはやその主張はできなくなっています。

無い袖は振れない以上、公的医療保険のカバー範囲拡大には限度があります。「どこまで医療を行うか」についての国民的議論が必要でしょう。


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*1:1973年が田中角栄内閣による「福祉元年」。老人医療費無料化等によって国民医療費が急増した。