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ドイツ帝国の擡頭と大東亜共栄圏の失敗

エマニュエル・トッドは、旧共産圏の崩壊と統一通貨ユーロが、ドイツを「帝国」にした分析しています。

トッドはドイツと日本の類似性も指摘しています。

日本社会とドイツ社会は、元来の家族構造も似ており、経済面でも非常に類似しています。産業力が逞しく、貿易収支が黒字だということですね。

低コストの国々(ドイツは東欧、日本はアジア)へのアウトソーシング/オフショアリング→国内製造業の賃下げ圧力増大、でも日独は共通します。

しかし、近年の経済パフォーマンスには差があります。

ドイツの貿易黒字が「帝国化」とともに増大する一方で、日本は貿易赤字に転落しています。

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1990年代末以降、生産指数にも大差が生じています。

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ドイツの復活を支えたのは賃金抑制→単位労働コスト低下→輸出競争力向上でした。確かに、ヨーロッパ内では相対的に単位労働コストが低下しましたが、日本の低下はそれをはるかに上回っています。

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それにもかかわらず、日本はドイツのように「効率的な支配構造」(大東亜共栄圏?)を形成できなかったわけです。

ドイツ中心のヨーロッパは非同質的で、脆弱性を内包しており、潜在的に不安定だ。しかしながら、住民の序列化メカニズムが現在進行中で、それが整合的で、且つときに効率的な支配構造を固定化し始めている。 

ドイツに対する東欧に比べると、日本に対するアジアは

  • 教育水準の差が大きい(←共産主義諸国は教育熱心だった)
  • 人口が相対的に多い(←中国だけでも日本の10倍)
  • 文化的に近くない(←東欧はドイツの影響が強い)

等々、コントロール困難だったことが関係しているように思えます。*1

トヨタを見れば、日本経済がすべて分かる」ということなので、トヨタ自動車の動向を見ると、大幅な円安にもかかわらず、国内生産と輸出は盛り上がっていません。

gendai.ismedia.jp

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日本よりも進出先を優先しているかのようですが、文化の反映でしょうか。

日本の文化が他人を傷つけないようにする、遠慮するという願望に取り憑かれているのに対し、ドイツ文化はむき出しの率直さを価値付けます。

自動車産業よりも外国人観光客に頼るところでは、日本はドイツよりもギリシャに似てきたようです。

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totb.hatenablog.com

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*1:第二次大戦時も、ドイツは短期間で欧州大陸を制圧できましたが、日本は最後まで中国を制圧できませんでした。あるいは、大英帝国ポルトガルの違いです。