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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

欲求の階層を上がると社会が崩れる

少子化・ジェンダー

女の経済力が高まるほど、結婚に求める精神的ファクターの比重が増大することは普遍的に見られる現象です(←マズロー自己実現理論)。

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

われわれの社会では、教会とか大家族制度とかのような伝統的組織が人間生活の中で果す役割りがますます減少し、個人の自由(政治的、経済的、社会的)が絶えず増大し、女性に与えられる地位と尊重がしだいに増し、人々の大きな部分が経済的窮乏から比較的解放され自力で生計を支える力が増大したため、人々が恋愛による感情的満足を追求することが比較的自由になったのである。

http://www.nytimes.com/2014/02/15/opinion/sunday/the-all-or-nothing-marriage.html

As a psychologist, I could not help noticing that this history of marriage echoes the classic “hierarchy of needs” outlined in the 1940s by the psychologist Abraham Maslow. 

このことから、「女に好まれにくい性格の男は子を残しにくくなる」という仮説が導けます。

これを裏付けるノルウェーの興味深い研究があります。

How personality affects fertility - 2013 - IIASA

In particular, Skirbekk notes the decline in childbearing among neurotic men—neurotic meaning individuals who tend to be moody and emotional. The study found that the effect only applies for men born after 1957.

パーソナリティの5因子(Big Five)と子供の数の相関を調べたところ、1957年以降に生まれたneuroticな(神経質傾向の)男に子供が減少する傾向が見られたということです。

www.nikkeibp.co.jp

これは、40歳時点で無子の割合の男女差が拡大した時期と一致します。

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totb.hatenablog.com

その理由ですが、女のパートナー選びにおいて、男の性格を重視する傾向が強まってきた可能性が指摘されています(一般的に、女は男よりも異性に対する要求が厳しい)。

sciencenordic.com

Skirbekk thinks it is related to the increase in personal freedom of choice we now enjoy. This involves the freedom to choose a partner, certainly, but also the freedom to refrain from having a partner or children.

This means that modern women have the option of declining to mate with men they consider less attractive candidates as fathers of their children, even if they have no other suitors at hand. In earlier times this option was much less prevalent.

Research has already confirmed what most couples know, that women are more likely than men to continuously evaluate the quality of their relationships.

香港では、女の結婚相手選びにおいて、男の性格を重視する傾向が強まっていることが報告されています。昔は家族のために真面目に働けば「合格」だったのが、最近ではモテの要素が重視されるようになっています(非モテには不利な状況に)。同じことがノルウェーでも起こっているものと考えられます。

www.theatlantic.com

Dr. Choi also feels that women expect far more from marriages than in the past when the need for financial security was often a defining factor.

“Previously women mainly looked for qualities such as work ethic and ability to support the family in a future husband, while the personality of a future wife was key for men,” she says. “But in contemporary Hong Kong society, there’s an expectation for marriages to be based on love and romance. So if the man’s merely hard working, that may not be enough. He also needs to be romantic and the couple needs to have chemistry.” 

"Romantic"にはなりにくい神経質傾向の男と"chemistry"を醸成することは難しいのかもしれません。

パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる

パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる

どうやら神経質傾向の高い人を人生で待っているのは、うんざりさせるほどおびただしいトラブルのようだ。…まず彼らは、うつ、不安障害、不眠症、その他あらゆる種類のストレス関連の問題をもつ比率が高い。…健康状態以外でのトラブルとしては、結婚や仕事に満足することが少なかったり、他の人たちが自分を困らせようとしていると思いがちな点などがある。

問題は、パーソナリティによって淘汰される男の増加は、出生率の低下や移民の増加(←自国民の女と結婚できない男が途上国から妻を迎える)を通じて社会を変質させていることです。*1

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北欧諸国は日本のような人口減少危機には見舞われていませんが、その代わりに他民族の混入という形で、以前のような社会が失われつつあります。既に、ノルウェースウェーデンでは、新生児の約1/4は移民の母親から生まれています。

totb.hatenablog.com

この「個人の自由と社会の存続のトレードオフ関係」を考慮しない少子化対策は無意味です。そろそろ、日本社会の存続(公共の福祉?)のためには、国民が不満に感じる退行的な政策を実行せざるを得ないという「不都合な真実」を直視するべきではないでしょうか。*2

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

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*1:1950年代後半以降の出生コーホートが結婚期を迎えた1980年代後半以降に、外国人と結婚する割合の男女差が急拡大したことは偶然ではないでしょう。

*2:物質的豊かさを追及すると環境(資源エネルギー)問題の制約に突き当たるように、精神的豊かさの追求は人口減少問題の制約に突き当たるわけです。これは先進国の人々にとっては盲点だったでしょう。見たくないから見えなくなっていただけかもしれませんが。