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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

男と同じように働きたがらないノルウェーの女

少子化・ジェンダー

ノルウェーの女の働き方についての記事の紹介です。

sciencenordic.com

子供の数が多い女ほど公的セクターで働く傾向にあります。民間に比べて仕事と子育てを両立させやすいことが理由と考えられます。

“The public sector is seen as more family friendly than the private sector", Schøne says.

The probability that a woman will work in the public sector increases with the number of children she has, Schøne’s study also shows.

More part-time jobs and traditionally higher job security could be one of the lures, he believes, although his study design does not allow him to say anything about causality. 

パートタイム労働の割合も女37.9%、男13.6%と大差があります。週平均労働時間(2014年)も男37.0時間に対して女は31.5時間(男の約85%)にとどまっています。*1

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参考として日本も示します。

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女の5割弱が公的セクターで働くため、公的セクター雇用者の7割弱が女で占められています。

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もっとも、この研究の注目点はここではなく、子供の有無にかかわらず、女は公的セクターで働きたがることにあります。

…, Schøne found that some women did shift from the private to the public sector after they had children. But having children only increased the likelihood of working in the public sector by 3 percentage points. At the same time, as many as 40 per cent of women without children also chose to work in the public sector.

This may indicate that there are reasons that are far more important than having children in determining why women are over-represented in the public sector. 

その理由としては、

  • 女が好む職種(保育士、看護師、介護士など)が公的セクターに多い
  • 女は男に比べてリスクを嫌う(高収入よりも安定を重視)

などが考えられますが、男女差の無い専門性が高いキャリア志向の職種でも、子供ができると女は男よりも公的セクターに移る傾向があります。

… a survey of 3,900 lawyers, economists and engineers and found that these career women were also more likely than men to switch to the public sector once they had children.

さて、この現象の解釈ですが、

  1. 男女平等先進国のノルウェーでも伝統的ジェンダーロールの観念は根強い。
  2. 女と男には(特に仕事と子育てに関して)生まれつきの違いがある。*2

のどちらでしょうか。ちなみに、いわゆる理系的な職種は圧倒的に男が占めています。

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人間が進化の過程でhard-wiredした「夫は遠出して食料調達、妻は子育て」の現代版とすれば簡単に説明できます。*3「仕事も家事・育児も夫婦で等しく負担」を理想とするキャリア志向の女でも、いざ子供が生まれると、本能のスイッチが入ってしまうということでしょう(→「ガラスの天井」の原因)。*4

「サル化」する人間社会 (知のトレッキング叢書)

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このころ*5の人類の暮らしは、男性たちが食料採取に出かけ、女性は安全な場所で待ちながら子どもたちを育てる、という形式だったと考えられます。男性を保護者とし、特定の女性とその子どもたちが連合して家族を作りました。

人間性はどこから来たか―サル学からのアプローチ (学術選書)

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労働の性的分業は、カルチャー・ユニヴァーサル、つまり人間社会に普遍的な慣習の一つである。

リベラルやフェミニストが熱望する、ノルウェーでも達成できていない「男と女がまったく同じように働く」社会を実現するのであれば、

が有効ということになりますが、そのような社会を望む人がどれだけいるでしょうか。そもそも、そのような社会が長期的に成功するとも思えませんが。

人間は社会をどのようにも変えられるという考えがあるが、これは知られている限りでは長期的に成功した試しがない。

リベラルやフェミニストの男女同等化の叫びが「健康のためなら死んでもいい」と同じに聞こえます。*7

パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる

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フェミニズムの基本的目標のひとつは、公平さである。つまり、男性でも女性でも同じ適性とモチベーションがあれば、与えられる成功のチャンスは平等であるべきだということだ。このことについてはまったく疑う余地はない。だがそれは、現実に男性と女性とが平均して同じモチベーションをもっているということにはならない。したがって、社会のあらゆる分野で男女が等しく活躍するというのは、必ずしも期待すべきではないのである。*8

totb.hatenablog.com

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*1:「雇用者」はemployeeのこと。

*2:普通の人なら「男女に違いは無い」とは考えないでしょう。

*3:デンマーク人の2013年の平均通勤距離は男23.8km、女16.4km(男の約7割)。出所はDanmarks Statistik

*4:このような本能の存在を認めない人もいるようですが。

*5:[引用者注]アフリカで音声コミュニケーションを始めた頃。

*6:→民営化された職場で働き続けるよりも、「家庭に入る」ことを選択する女が多く出るでしょう。

*7:パレートの法則(80:20の法則)のように、一般人とは価値観が大きく異なる少数派のエリートが、一般大衆にとっては迷惑な政策を推し進めているように見えます。

*8:強調は引用者。