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日銀当座預金への付利と銀行悪玉論

量的・質的金融緩和が(リフレ派の)期待通りの成果を上げていないためか、銀行批判が強まっています。

diamond.jp

銀行の異様な行動は、最新の日銀の資金循環勘定のポートフォリオからも確認できる。

ここで、預金取扱機関で、現預金が403兆円と、全体の資産1826兆円のうち22%を占めているのは驚くほかない。このうち日銀当座預金は250兆円である。この数字の異常さは、保険・年金基金の現預金は23兆円で全体の資産594兆円のわずか4%であるのと比べると一目瞭然だ。銀行は、これほどに日銀当座預金の0.1%に引きずられているのだ。

銀行は、2200億円の「お小遣い」を守るために必死なので、貸出がおろそかになっているのだ。 

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保険・年金基金は預金取扱機関と違って日本銀行に当座預金口座を開設していないので、当然、資産に日銀当座預金(預け金)はありません。なので、保険・年金基金と比べた日銀当座預金の多さを「異常」とするのはミスリードです。

また、0.1%の付利のために「貸出がおろそかになっている」とのことですが、銀行等の貸出金利は0.1%を大きく上回っています。リスクに見合った貸出先があれば、銀行は当然貸し出すはずです。

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しかし、企業は財務健全化(→自己資本比率上昇)を優先しており、投資のための借入には消極的です。貸出金利を下げても、資金需要がなければ貸し出すことはできません。

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そもそも量的緩和とは、銀行等が保有する国債を日銀が大量に買い入れて、当座預金残高を必要以上に増大させるものです(国債等と日銀当座預金の交換)。なので、預金取扱機関が多額の日銀預け金を保有していることは、量的緩和が順当に進んでいること意味します。量的緩和の支持者が預金取扱機関の資産の日銀預け金の増加を非難するとは支離滅裂です。

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預金取扱機関が資産として日銀当座預金を250兆円保有することが異常であるなら、それは日銀当座預金を250兆円まで積み上げた量的・質的金融緩和が異常であることに他なりません。*1

totb.hatenablog.com

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*1:量的緩和の規模が「次元」なので、銀行等のポートフォリオが「様」「常」になるわけです。