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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

リフレ派も現実路線に転換?

リフレ派の代表的論客・飯田泰之へのインタビュー記事です。

business.nikkeibp.co.jp 

この発言からは、依然として「銀行は中央銀行から供給されたマネーを市中に貸し出す」と考えてるいことが窺えます。

そもそも、「金利が付かないからほかに貸し出そう」と考えてもらうために国債を買い入れているというのに、それに金利を付けるっておかしな制度ですよね。

2010年の本では以下のように述べていました。

日本経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443)

日本経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443)

ほとんどの人は「最終的に貨幣を供給できるのは、現在の社会では政府だけである」という大前提を忘れがちです。

通貨の元となる現金は、とどのつまり政府の発行する債券ですから。

実際には、マネーストックの大部分を供給しているのは銀行です。銀行は手元に現金がなくても預金を信用創造できます。

これはよくある誤解ですが、その他の点では以前の勇ましい主張は影を潜め、妙に現実的になっています。

リフレ派の論客やそのシンパの多くが、日本銀行が超過準備に付ける0.1%の利息を「銀行への補助金・お小遣い」であるとして廃止を要求していますが、飯田はそれを非現実的と見ています。

これを急にゼロにするというのはちょっとできない。もらえるはずだった2000億円が来ないとなると、資金計画は大混乱でしょう。そして、もともと「0.1%金利がつく」と思うから、各行は多少安くても国債を手放していたわけで、「約束が違う!」といわれてもしかたない。

金融政策の効果についても、控え目(弱気?)な見方をしています。

経済政策、特に金融政策がやるべきことはかなり東洋医学に近いのではないかというのが私の理解です。現実の経済は複雑ですから、単一のモデルで統一的な理解を目指すのではなく、体に良いと思われるものを試しながら進むという方法も大切でしょう。

『日本経済復活 一番かんたんな方法』における主張とは対照的です。

人為的に経済政策に力を入れたって、どうにもならないんじゃないかというあきらめの感覚が強いのは大問題です。経済学者を含むほとんどの人間が、経済学は実際の経済政策に役に立たないって思っている。こういった世論っていうのをなんとか転換していくしかないんですね。

日銀がインフレ目標にコミットして超過準備を積み上げていけば、必ずインフレ好況を実現できる(できないことはあり得ない)、と主張していたリフレ理論からはかなり後退したようです。*1

量的・質的金融緩和の現実を踏まえてのロジック修正は望ましいことですが、リフレ派のサークル内で「総括」を迫られることはないのでしょうか。

totb.hatenablog.com 

totb.hatenablog.com

参考

『日本経済復活 一番かんたんな方法』における飯田の発言。 

でも気づいたら論壇誌や経済誌の論調も変わりつつありますね。PHP研究所から出ている月刊誌『Voice』に山形浩生氏と上野泰也氏の論文が連載され、巻頭が若田部昌澄氏。僕の連載も始まりましたし。

shuchi.php.co.jp

さて、この処方箋は簡単だ。インフレ期待を起こせばいい。これほど簡単なことはない日本銀行がお金をいっぱい刷り、これからも当分そうしますよ、といえばいい。いままでの日銀による金融緩和は、お金はとりあえず刷るけれどすぐやめますからね、と言い続けていたのでインフレ期待はまったく上がらなかったのだ。

読者諸賢におかれましては、とにかくデフレはよくないもので、日銀がその気になればすぐに解決できるんだということだけでもこの一文から読み取っていただければ幸甚。*2

ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)

ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)

*1:社会保障制度に関する言及(年金を賦課方式から積立方式へ)もありますが、非現実的です。

*2:強調は引用者。