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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

「保育所完備」のフィンランドにおける人生格差

保育所不足が話題になっているようですが、

www.sankei.com

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保育所先進国」といえばフィンランドが挙げられます。

www.huffingtonpost.jp

女性の社会進出の影で、ベビーブームが終わった1950年以降、急速に出生率が落ち込んだ。そこで、政府が打ち出したのは育児しながら働く女性への支援、特に未就学児の保育の整備だった。1973年に制定された保育法で、全国すみずみに行き渡る保育園のネットワークが構築されたという。

「職場に復帰するために、子供を預けようと思ったら、たとえ最寄りの保育園が満杯でも、近場の保育園には入れます。地方自治体だけでなく、民間企業による保育園もありますが、政府からの支援があるので、保育料に違いはありません。保育の質も同じだと思います」 

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(↑ 合計出生率は日本より高いものの、人口置換水準を下回り続けていることに注意。)

国民全体が仕事と子育てを両立できる理想郷のようですが、統計は、その恩恵が高学歴の女に集中していることを示しています。

Statistics Finland - Population Structure 2014 

In 2014, the share of women not having given birth among women aged 45 to 49 speaking national languages as their mother tongue and with only basic level qualifications was 22.0 per cent. In 1990, the respective share was only 12.0 per cent.

In 2014, the share of women not having given birth among women aged 45 to 49 with upper secondary level qualifications was 17.8 per cent, while in 1990 their respective share was 13.0 per cent.

Among highly educated women, the share of women having given birth has not in practice fallen. In 1990, women not having given birth had a share of 18.6 per cent among women aged 45 to 49 with tertiary level degrees. The corresponding share was 18.9 per cent in 2014.  

45-49歳の女の無子の割合の変化(1990年→2014年)を学歴別に見ると、

  • 初等:12.0%→22.0%
  • 中等:13.0%→17.8%
  • 高等:18.6%→18.9%

となっています。低学歴の無子の割合が急上昇する一方で、高学歴はほぼ横ばいです。*1一般的に、女はキャリアと育児のトレードオフのために、学歴と無子の割合(あるいは出生率)が逆相関を示す傾向がありますが、フィンランドでは高学歴女の"have it all"が可能になったことが示唆されます。*2

他方、男の学歴別の無子の割合は「初等>中等>高等」の相対的関係は変わらないまま、全体的に上昇しています。*3

「育児しながら働く女性への支援」の恩恵は、子孫を残すことに関しては、高学歴の女に集中しているわけです。

また、スウェーデンノルウェーと同じく、男の結婚相手として「下の国」からの女の「輸入」も増加しています。

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gendai.ismedia.jp

二村 川崎さんが先日言っていたけれど、女性から見て「気持ちわるい」と思う男は、全男性の7割くらいなんでしょ?

川崎 そうですね。気持ちわるいというか、例えば電車内での身体的な接触とかは生理的に嫌ですね。で、その3割のうちのさらに1割弱が、「まあこの人ならキスできるかな」というくらいですかね。

二村 でも男にとっては逆で、7割くらいの女性は「あり」なんだよ。

多くの先進国で絶対正義とされる「育児しながら働く女性への支援」は、高学歴のエリート女に集中的に恩恵を与えるものと言えそうです。"Lean In"のシェリル・サンドバーグのような勝ち組ほど「育児しながら働く女性への支援」を主張する傾向があるのも、自分たちの利益のためのポジショントークだとすれば説明が付きます。

事の良し悪しは別として、かくして人生格差が広がり、「無敵の人」も増加していくわけです。

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*1:第二次大戦前生まれのコーホートと比べるとむしろ低下。

*2:フランスでも、高学歴の上級管理職の女の無子の割合が低下したため、各階層の無子の割合の収斂が生じています。

*3:男は経済力が高いほど子孫を残せる可能性が高まる。