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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

スティグリッツのマイナス金利政策批判

スティグリッツが各国中央銀行マイナス金利政策を批判しています。

www.project-syndicate.org

モデルでは「実質金利低下→投資刺激」とされているものの、

  1. 企業は潤沢な現預金を保有しており、投資判断にはわずかな金利低下よりも需要動向が影響する。*1
  2. 企業(特に中小)は国債金利で銀行から借りられるわけではない。
  3. マイナス金利政策は銀行のバランスシートを毀損し、貸出意欲を抑制する。

などが現実であるため、逆効果になるという分析です。

これらが日本に当てはまるかについて確認します。

1.について。超低金利政策が20年以上続くにもかかわらず、民間企業の借入抑制・内部留保積み上げを最優先する姿勢は不変です。

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2.について。国債金利と銀行の新規貸出約定平均金利を比較します。

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リーマンショック後に注目します。

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2012年から長期国債金利と銀行の新規貸出約定平均金利の乖離が大きくなっていますが、その主因は日本銀行国債買い入れ増加にあると見られます。

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量的緩和や当座預金へのマイナス金利適用は、国債金利は大きく低下させるものの、銀行の貸出金利を同程度低下させることには至っていないのが現実です。

3.について。銀行の利鞘は既に大幅縮小しています。

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www.sankeibiz.jp

平野社長は…「既に貸出金利は欧州より低水準。企業も個人も効果に懐疑的になっており、支出や投資計画を凍結している」と分析した。

銀行業界への影響についても「マイナス金利(による負担)を顧客に転嫁できないだろうから、(収入である貸出金利からコストの預金金利を差し引いた)利ざやはさらに縮小し、基礎体力の低下をもたらす」と懸念を示した。

…「少なくとも短期的な効果は明らかにネガティブ。体力勝負の持久戦は厳しさを増し、長期化する」と主張した。  

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金利よりマネタリーベース(または超過準備)の量が重要」と主張していた日本のリフレ派は、最近ではマイナス金利政策を絶賛して銀行バッシングに熱心ですが、スティグリッツの分析はそれとは正反対です。

リフレーショニスト諸賢におかれましては、金融の世界標準理論のイロハも知らない愚か者のスティグリッツいつものように(できれば英語で海外に向かって)罵倒・嘲笑することをお願いします。

www.zakzak.co.jp

マイナス金利に対し金融業界が批判を受けるということは、良い政策の証しだという言い方もできるだろう。 

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*1:住宅をキャッシュで買えるが買わない人に、住宅ローン金利を下げても無意味であるようなもの。