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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

リフレ派の文化大革命

既に何度も書いた内容ですが、影響力のある国会議員までが事実に反した内容を発信しているので、改めて書きます。

2008年10月末以降、日本銀行が当座預金の一部を除いた部分に付けている利息が「年間2000億円超で銀行にとっては濡れ手に粟の大儲け」という内容です。

www.zakzak.co.jp

銀行が日銀に預けている当座預金の超過準備(法定準備額を超える部分)には、2008年10月以降、われわれの預金金利よりはるかに高い0・1%の利息が付いており、銀行全体で毎年2100億円程度の利息を受け取っている。 

2016年3月のプラス0.1%の付利の対象となる日銀当座預金残高は約210兆円です。ここから、

210兆円×0.1%=2100億円

と計算されていると思われますが、付利の対象が200兆円を超えたのは2015年度になってからであり、利息を付ける補完当座預金制度の開始時における付利の対象は数兆円に過ぎませんでした。補完当座預金制度の支払利息は量的・質的金融緩和が開始された2013年度でも836億円、2014年度が1513億円です。「毎年2100億円程度の利息を受け取っている」「年間2200億円も濡れ手で粟の大儲けしてきたのは銀行業界だ」は明らかに事実に反します。

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また、日銀当座預金が原則的には無利息なのは、銀行間決済に必要な額しか保有する必要がないからです。個人の現金保有と同じです。

銀行と個人の安全資産を対比すると、

  • 利息無し:日銀当座預金―現金
  • 利息あり:国債―銀行預金

となります。

個人が銀行の都合で預金金利を一方的にゼロにされては困るように、銀行も日銀の都合で利息収入が得られる国債を無利息の当座預金に置き換えられては収益力が低下してしまいます。

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日銀当座預金への付利が「われわれの預金金利よりはるかに高い0.1%」なのも、国債金利の代替と考えれば、銀行を「濡れ手で粟の大儲け」させる不当に高いものではないことは明らかでしょう。卸売業者を「卸売価格が小売価格より安いのは不当」と攻撃するのがナンセンスなのと同じです。

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構造改革」ブーム以降、「既得権益者」と難癖をつけて国民にバッシングさせる文化大革命の真似事が続いていますが、経済社会が疲弊するだけでしょう。*1*2

www.zakzak.co.jp

従来の日銀は金融業界の利益代表で、国民を犠牲にしていたのではないか。マイナス金利に対し金融業界が批判を受けるということは、良い政策の証しだという言い方もできるだろう。

追記

リフレ政策に批判的な頭のいい人の思考も理解困難です。。

www.asahi.com

国債残高が巨額になると、人々は国債の元利を受け取ることができるか不安になろう。実際、民間銀行も家計も国債保有高を減らしており、買い続けているのは日銀だけだ。

民間銀行が国債保有残高を減らしているのは、デフォルト懸念からではなく、日銀の高値での買い入れに応じているからです。

日本の家計総資産は現在1700兆円以上あり、負債を差し引いた純額でも過去最高の1346兆円である。これだけの資産を持ち、年間240兆円の消費を行い、消費税18兆円を払っている。

この消費額は96年の規模と変わらず、そのときの純資産は916兆円しかなかった。つまり純資産が430兆円も増えても、消費を変えない。こういう国民は5兆や10兆円の消費税の負担が増えても消費を減らすはずがない*3

庶民の現実からかけ離れたモデルを使っていることはよく分かります。

*1:建設業叩きと公務員叩きが災害対応力を低下させたことは間違いなさそうです。

*2:当初は構造改革派に批判的だったリフレ派が、最近では構造改革派に似て攻撃的になってきたように見えます。

*3:強調は引用者。