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東洋経済の「生涯非婚」特集

今週の週刊東洋経済が「生涯未婚」を特集しています。 

toyokeizai.net

これは正論でしょう。

育児に対する社会的サポートの不足を少子化の要因とする議論が改めて高まっている。だが人口動態的にみると、すでに結婚している人への支援はやらないよりやったほうがマシ程度のものでしかない。子どもの出生数を少しでも回復させるには、結婚していない人に結婚してもらうことのほうが、はるかに効果が高い。

ニッポンの未婚の現実と、それに対する処方箋を、そろそろ真剣に考えるべきだ。

上のネット記事には

要するに結婚していないのは、「非正規雇用の男性」なのだ。 

とありますが、雑誌には他に恋愛体質ではない男高学歴・高収入の女も挙げられており、かなり踏み込んだ内容となっています。

ワーキングプア男が増えた背景にはネオリベラリズムフェミニズムがあります。

バックラッシュ!  なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?

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男女共同参画社会は、新自由主義的なベクトルとフェミニズムとの妥協の産物だ」というのは、100パーセント正しいと思います。*1

president.jp

世帯を養える賃金を男1人に払う家族給に支えられた 「男性稼ぎ主モデル」こそ、女性差別の根源なのですよ。

正規雇用者の給料を下げて、夫に600万円払っているのなら、夫に300万円、妻に300万円払うようにすれば、納税者も増えます。

女が低収入・不安定雇用の男と結婚したがらないのは火を見るよりも明らかです。1980年代から続くネオリベ&フェミの構造改革が非婚化を促進しているわけです。経済格差拡大と非婚化は表裏一体です。

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雑誌では“識者”が「男が大黒柱の性別分業モデルは時代遅れ」と、男女が等しく共働きするモデルへの意識転換を推奨していますが、これは“識者”の願望に過ぎず、解決策にはなり得ません。

新モデルでは、男の収入が減っても代わりに女の収入が増えれば結婚後の世帯収入は維持できるので、結婚への障害にはならないことになっていますが、女には本性として上方婚志向が備わっているので、高学歴・高収入の女の非婚対策にはなりません。*2

恋愛体質ではない男の非婚化も、女の地位の上昇が主因です。

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

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われわれの社会では、教会とか大家族制度とかのような伝統的組織が人間生活の中で果す役割りがますます減少し、個人の自由(政治的、経済的、社会的)が絶えず増大し、女性に与えられる地位と尊重がしだいに増し、人々の大きな部分が経済的窮乏から比較的解放され自力で生計を支える力が増大したため、人々が恋愛による感情的満足を追求することが比較的自由になったのである。*3

www.theatlantic.com

Dr. Choi also feels that women expect far more from marriages than in the past when the need for financial security was often a defining factor.

“Previously women mainly looked for qualities such as work ethic and ability to support the family in a future husband, while the personality of a future wife was key for men,” she says. “But in contemporary Hong Kong society, there’s an expectation for marriages to be based on love and romance. So if the man’s merely hard working, that may not be enough. He also needs to be romantic and the couple needs to have chemistry.” 

女の経済力の向上は、結婚に求める経済力の比重を低める一方で、感情的満足の比重を高めます。そのため、経済力では必ずしも低スペックではない男でも、恋愛体質ではなければ結婚が困難になります。昔なら年配者に「家庭向き」と評価されたかもしれない地味な男が売れ残っていきます。

人間の特徴である一夫一妻制(核家族)の起源は「出産・子育てする女のために男が食料を調達してくる」ことにあると考えられています。なので、男の稼得能力低下and/or女の稼得能力向上(→男への依存が不要に)が、

  • 低収入男
  • 高収入女
  • 恋愛体質ではない男

の結婚を困難にするのは必然と言えます。そして、

結婚の第一義的な意義が繁殖にあるのは自明である。

なので、必然的に少子化が進み、社会は持続困難に陥ります。人間が進化の過程で獲得した本性は「男が年収600万円で妻子を養う」に近いので、「男も女も年収300万円」では家族の形成が阻害され、社会の安定も損なわれてしまいます。

結局、「男女は同じであるべき」という現代社会の価値観が、人間の本性とミスマッチを起こしていることが、非婚化・少子化の原因ということになります。「ニッポンの未婚に対する処方箋」は、この「政治的に正しい」価値観への挑戦を意味しますが、勇気あるメディアや政治家は出て来るでしょうか。

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*1:[引用者注]上野千鶴子の発言。

*2:男にとって「妻と子のために稼ぐ」は自然ですが、女にとって「夫と子のために稼ぐ」は自然ではありません。この非対称性があるために、男と女の社会的役割・地位を同等化すると、男女のミスマッチが大量に発生することが避けられません。なお、「女が男(ヒモ)を養うケースもある」との反論もありますが、男が将来に大化けすることを期待した先行投資か、物理的・精神的暴力によって支配下に置かれているケースが多いと見られます。

*3:強調は引用者、以下同。