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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

高望みで「揺れるキャリア女子」

今週の週刊東洋経済の「生涯非婚」特集と対になるような記事です。

news.yahoo.co.jp 

仕事と結婚の両立はなぜ、難しいのだろう。…「キャリアも結婚も」を目指す当の女性たちはどんな葛藤を抱えているのか。その思いを聞いた。

この件については2年近く前に書いていますが、

totb.hatenablog.com

改めて整理してみます。 

キャリアと結婚の両立を目指すのであれば、専業主夫志望の男と結婚すればよいだけです。つまり、問題の本質は、キャリア女子は専業主夫志望の男とは結婚したくないことです。 

toyokeizai.net

エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せないってこと(笑)。男性評論家はよく、エリート女は家事労働してくれるハウスハスバンドを選べなんて簡単に言うけど、現実的じゃない。*1

他の類人猿などと同様、人間も子育ては基本的に女の役割です(男は母乳を出せない)。男の役割は子供が確実に育つように妻と子を養うことです。なので、男にとって妻と子を養うことは自然ですが、女にとって夫を養うことは自然ではありません。進化の過程で形成されたこの非対称性が、キャリア女子にとって仕事と結婚(出産・育児)の両立が難しい根本的な理由です。

アメリカでは4年前にAnne-Marie Slaughterの"Why Women Still Can’t Have It All"が議論を巻き起こしましたが、"have it all"は「これも欲しい・あれも欲しい・全部欲しい」という子供じみた観念と言えます。

www.theatlantic.com 

… a better and more accurate title for my article would have been Why Working Mothers Need Better Choices to Be Able to Stay in the Pool and Make It to the Top.

Yahoo!ニュースの記事にも登場する中野円佳(東京大学卒)は、

toyokeizai.net

別にマッチョ志向の妻たちは、「かわいい妻」でいようと、夫に家事育児分担の交渉をしていないわけではありません。多くの妻は時にすごい剣幕で、ときにロジカルに夫と交渉していたりします。でもロジカルになればなるほど、夫に仕事を降りてもらう合理性が自分の中で説明できなくなってしまうわけです。 

と書いていますが、自分の中でも説明できない非合理的な主張をすごい剣幕で夫にぶつけることは、マッチョ志向の女がロジカルとは対極の存在であることを示しています。

ジャレド・ダイアモンド

若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来

若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来

第2部では「トレードオフ」(差し引き関係)の点から考えてみることが重要だ。動物の世界には、対価の支払いを免れ、万事いいことずくめですむようなものは存在しない。利益だけでなく、なにごとにおいてもコストがともない、相応の空間や時間やエネルギーをなにかに投じなくてはならない。進化生物学の枠組みにおいては、生物の成功はより多くの子どもを残すという点から計られる。

と、トレードオフの重要性を説いていますが、キャリア志向・マッチョ志向の女は「すべてを手に入れられるはず」と、トレードオフの観念を欠く傾向があるのでは、という疑念が生じます。*2

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

私の思うに、今日みられる事態は、伝統的な男女役割分担の少々のずれであり、それが人間関係に新しい緊張をもたらしつつある。すなわち、もし女性が今日まで男性がやっている職業志向の生活を追求するなら、何かを棄てないかぎり、誰が家事と育児をすることになろうか?

一部の人が選ぶ道は子どもをつくらないことである。もう一つの道は、金持ちならばだが、手伝いを雇うことである。(ある既婚の女医は、しばしばおそくまでかかる仕事と、息子を学校が終ったら迎えにゆかなければならないこととの板ばさみになり、途方にくれた時に「私には妻が必要だ」と叫んだ)。第三の道は、夫と妻が家事をもっと平等に分担することだが、これは結局は、男性が職業生活の遂行を求めかつ求められる仕方の、社会的修正を必要とするだろう。 *3*4

東洋経済の記事では

ニッポンの未婚の現実と、それに対する処方箋を、そろそろ真剣に考えるべきだ。

と主張されていましたが、そのためには、非婚化は女の社会進出と上方婚志向のミスマッチの結果であり、キャリア女子の希望を叶えることはできない、という現実を認めるところから始める必要があるでしょう。*5

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com 

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

*1:上野千鶴子は本質を的確に突いているので非常に参考になります。

*2:「すべを手に入れられて当然」と疑っていないので、現実のトレードオフに直面すると、「男が悪い」「社会が悪い」「日本死ね」など、自分は不当に虐げられた被害者であると声高に叫ぶようになるのでしょう。

*3:強調は引用者。

*4:この30年以上前の予想は見事に的中して、先進国では低出生率and/or移民人口増加が進行中です。途上国からの移民を大量に受け入れれば、金持ちでなくても手伝いを雇えるようになります。

*5:もちろん、個々には"have it all"できる女もいますが、集団全体としては無理ということです。