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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

追加金融緩和に関する考察

日本銀行に追加金融緩和を求める二人の論者の意見について考察します。

gendai.ismedia.jp 

企業が稼いだ利益を賃金という形で労働者に分配せず、また、将来の成長のための設備投資に回さずに、負債の返済や内部留保の蓄積に回すといった「消極姿勢」がこのフリーキャッシュフローの増加に現れているとすれば、それを是正する近道はやはり「デフレ解消」であるのではなかろうか。

ということですが、因果関係は「デフレ→消極姿勢」よりも「消極姿勢→デフレ」の方が強そうです。

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そこで、ハシェム・ウー両教授が提案するのが、長期安定的なインフレ目標(日本をはじめとして多くの先進国では2%)よりも高めの「短期的なインフレ誘導目標(例えば4%)」の設定である。 

とのことですが、日銀がインフレ率の目標水準を引き上げたとしても、それが企業や家計の行動を変えるトランスミッション・メカニズムが見当たりません。リフレ派が主張していた「インフレ目標+国債買い入れによるマネタリーベース大量供給」の効果が乏しいことは実証済みです。

円高の正体 (光文社新書)

円高の正体 (光文社新書)

日本経済復活のためには、日本銀行のマネタリーベース供給量を150兆円~200兆円程度にする必要がある。

マネタリーベースを200兆円まで拡大すれば、「1ドル=115円」までの円安局面が訪れ、日本経済はデフレから脱却し(その時のインフレ率は3%程度)、4%の名目経済成長が訪れ、日本経済は完全復活を遂げることができる。

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伊藤は追加緩和の具体策として、日銀がマイナス金利で金融機関に貸し出すことを提唱しています。

jp.reuters.com 

金融政策の手段は、量・質・金利のすべてで残されているとし、特に金融機関に対する貸し出しにもマイナス金利を適用すべきとの見方を示した。

一方で、財政政策は緊縮を支持しています。消費税率引き上げのマイナスを、日銀のマイナス金利での金融機関への貸出のプラスが上回ると想定していると思われますが、それを信じる人がどれだけいるでしょうか。

財政拡大を金融緩和でまかなう「ヘリコプターマネー」には、ハイパーインフレの危険性や中央銀行が独立性を失う恐れがあると指摘したうえで、「あり得ない」と断じた。

来年4月の消費税率引き上げは、「遅らせるとすれば大きな理由が必要だ。さらに遅らせてその後どうするかを明確に示すべきだ」と述べ、予定通り実施すべきとの考えを示した。

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スティグリッツクルーグマンは「金融政策は限界/大規模な財政出動で突破口を開くべき」と日本にアドバイスしましたが、その程度で日本の“識者”を転向させることは難しいようです。

totb.hatenablog.com

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totb.hatenablog.com