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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

進歩的社会における女の配偶者選択の先祖返り

人口・少子化

霊長類学者の分析に基づくと、

あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源

あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源

メスは量よりも質を追求する。たいていの動物は、メスは交尾相手と暮らさない。元気いっぱいで健康なセックスパートナーが見つかって、わが子に優良な遺伝子を与えてくれれば、それで充分なのである。オスがメスのもとにそのまま留まる動物では、やさしくて、危険から母子を守ってくれて、食べ物をとってきてくれるオスが好まれる。

人間の女が配偶者を選ぶ基準は、

  1. 元気いっぱいで健康/優良な遺伝子
  2. やさしくて、危険から母子を守ってくれて、食べ物をとってきてくれる

の二つあると考えられます。1.が「動物的」な基盤にあり、その上に「人間的」な2.が加味されているということです。

ノルウェーの心理学者が、この推測を裏付ける研究を発表しています。

gemini.no

“For their own partners, women focus on an attractive appearance that suggests good health and an ability to pass on their genes. At the same time, they prioritize qualities in their sister’s partner that can provide direct benefits for the whole family,” say the researchers.*1

女に「自分にとっての理想的なパートナー」と「自分の姉妹にとっての理想的なパートナー」を質問したところ、2.に相当する信頼性・堅実性など(社会的望ましさ)の項目はほぼ同じだったものの、1.に相当するセクシーさ(生物学的望ましさ)の項目は、自分にとっての場合の方が重視したということです。*2

この違いは、伝えられる遺伝子の割合の差に起因するというのが研究者の結論です。自分の遺伝子を直接伝えられない姉妹のパートナーの場合は、生物学的望ましさの重要度が低下し、「自分や家族の負担にならない」ことの重要度が相対的に高くなります。

人間性はどこから来たか―サル学からのアプローチ (学術選書)

人間性はどこから来たか―サル学からのアプローチ (学術選書)

多くの社会で、配偶者の選択の基準は男女で異なる。新夫に求められる資質は、「よき提供者」たることで、将来経済的・社会的に高いステータスにつくことが求められる。

このノルウェーの研究が正しいとすると、

  • 配偶者選択における家族の影響力の低下
  • 女の経済力向上
  • 子育て支援体制の充実

は、女の配偶者選択における性的魅力の比重を高めると予想されます。“進歩的”な社会になるほど、女の配偶者選択の基準は“原始的・動物的”なものになっていくということです。 

In the end, though, Norwegian women are more attracted to the good-lookers than the boring, kind and steady types …

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

われわれの社会では、教会とか大家族制度とかのような伝統的組織が人間生活の中で果す役割りがますます減少し、個人の自由(政治的、経済的、社会的)が絶えず増大し、女性に与えられる地位と尊重がしだいに増し、人々の大きな部分が経済的窮乏から比較的解放され自力で生計を支える力が増大したため、人々が恋愛による感情的満足を追求することが比較的自由になったのである。

www.theatlantic.com

Dr. Choi also feels that women expect far more from marriages than in the past when the need for financial security was often a defining factor.

“Previously women mainly looked for qualities such as work ethic and ability to support the family in a future husband, while the personality of a future wife was key for men,” she says. “But in contemporary Hong Kong society, there’s an expectation for marriages to be based on love and romance. So if the man’s merely hard working, that may not be enough. He also needs to be romantic and the couple needs to have chemistry.” 

昔なら「合格」レベルの稼得能力や誠実さを持つ男でも、性的魅力に欠けていれば、結婚できないリスクが高まっています。両方欠けている男(キモくて金のないおっさん)は絶望的ということでしょう。*3

totb.hatenablog.com

その結果がこれです。(関連記事あり)

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非婚化や少子化を巡る議論が実りあるものにならないのは、このメカニズムを無視しているためです。「不都合な真実」から目をそらしている限り、非婚化と少子化への有効な対応策は打ち出されず、日本社会は衰弱死へと向かうでしょう。

togetter.com

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totb.hatenablog.com

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*1:強調は引用者、以下同。

*2:母親が「娘の理想のパートナー」を選ぶ基準は姉妹と同じ。

*3:「低レベルの男は切り捨てられて当然」という観念は、「低レベルの労働者は切り捨てられて当然」という観念と根が同じです。男に厳しいリベラルは、一般労働者に厳しいネオリベラルと同類であり、この連合軍が日本という大きな共同体を破壊しています。