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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

男女共同参画社会は格差社会

少子化・ジェンダー

日本経済が停滞を続ける根底には、「儲かっても従業員に分配する必要はない」という思想(観念)が浸透したことがあります。*1

失われた〈20年〉

失われた〈20年〉

94年2月25日、千葉県浦安市舞浜の高級ホテル「ヒルトン東京ベイ」。大手企業のトップら14人が新しい日本型経営を提案するため、泊まり込みで激しい議論を繰り広げた。論争の中心になったのが「雇用重視」を掲げる新日本製鉄社長の今井敬と、「株主重視」への転換を唱えるオリックス社長の宮内義彦だった。経済界で「今井・宮内論争」と言われる。

「終身雇用を改めるなら経営者が責任をとって辞めたあとだ」。「企業共同体」論に立って主張する今井に日産自動車副社長の塙義一らが同調した。生産現場の和や技術伝承を重視する経営者らだった。

言い換えれば、従業員への分配に責任感・義務感を感じる経営者が減ってしまったということです。分配への責任感・義務感という「非合理性」を排して市場原理に任せれば、分配の偏りが拡大して経済弱者が大量発生してしまうことは、この20年間の日本を見れば明らかです。

totb.hatenablog.com

ところで、人間の特徴である核家族は「男が妻と子を養う」ことが基本です。

あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源

あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源

西欧の生物学者がとらえる核家族とは、オスがメスを世話し、その見返りに貞節を求めるシステムだ。…女性は男性をセックスで誘い、最大限の保護と世話を手に入れる。…典型的なのは「セックスさせて食べ物をもらう」 取りひきに子どもがくっついた関係だ。

利他学 (新潮選書)

利他学 (新潮選書)

哺乳類のなかでは、ほとんどの種において雄はただ精子を提供するだけで、子育てには参加しないことが知られている。しかし、ヒトの場合はこのように成長期間が長いので、おそらく母親の世話だけでは足りず、父親も子どもに投資するようになったと考えられる。

自分の遺伝子を持つ子供だけでなく、遺伝的には「他人」の妻まで養うことが人間の男の特徴ということですが、これは分配に対する一種の「責任感・義務感」につながると考えられます。

このような意味での責任感・義務感が男>女になることは必然です。 

toyokeizai.net 

一昔前は当たり前だった「男性が稼いで女性を養う」スタイルの結婚の場合、男性は独身時代の生活とは別れを告げ、一家を養う覚悟を決める。

結婚後、女性が仕事を辞め、専業主婦になれば、それまで1人で使っていた給料を2人の生活に充てることになる。当然、結婚することによって経済的なゆとりが減り、独身時代にできていたこともあきらめざるをえなくなる。それを当たり前と受け止め、皆、結婚に踏み切っていたのが、「男性が稼いで女性を養う」スタイルの結婚だった。

しかし、今回、3人の女性たちの話を聞くかぎりにおいては、独身である今の自分が「やっていること」「できていること」を犠牲にしてまで、男性を養ってもいいという気配はみじんも感じられなかった*2

男性不況――「男の職場崩壊」が日本を変える

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冒頭の「今井・宮内論争」にたとえると、男は今井的(雇用重視)、女は宮内的(株主重視)な傾向があることになります*3女は責任感・義務感に基づいて分配する性向が低いということです。*4

このことは、男の経済力の相対的低下が、経済社会を弱者を大量発生させるネオリベラル的なものに変えていくことを示唆します。そのような経済社会では、共同体としての一体感が失われるとともに、様々な面で強者と弱者の格差が拡大することは避けられません。

バックラッシュ!  なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?

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男女共同参画社会は、新自由主義的なベクトルとフェミニズムとの妥協の産物だ」というのは、100パーセント正しいと思います。

日本経済を停滞させるとともに、非婚化と少子化を促進している「主犯」が誰か(何か)はもう明らかでしょう。*5

totb.hatenablog.com

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totb.hatenablog.com

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*1:政治家もこの観念に毒されてきたことが、一貫してネオリベ的政策が進められる根底にあります。安倍首相の「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指す宣言も、企業が儲けることが国民の生活に優先することを示しています。「私腹は肥やすが国民に所得を分配することに責任を感じる古い政治家」と「クリーンだが国民に所得を分配することに責任を感じない新しい政治家」のどちらが望ましいでしょうか。

*2:強調は引用者。

*3:あるいは佐藤幸徳牟田口廉也

*4:批判しているわけではないので、念の為。

*5:リフレ派が口を極めて罵っていた日本銀行ではないことは確かです。リフレ派は「主犯」隠しに大いに貢献したことになります。