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[雑感]『日本売ります』の現実味

先日、医療関係者と話をしていたら、グローバル・スタンダード経営を標榜する製薬のT社の話題になりました。その人が冗談半分で言ったのが「T社のトップは、会社を内部からボロボロにして身売りさせるために欧米の巨大製薬企業から送り込まれた工作員ではないか」という内容でした。

これはもちろん冗談ですが、1990年代半ばから続く日本の「構造改革」自体が、そのような目的を持った誰かに仕組まれているようにも思えてきます。

たとえば、経営の無責任体質を招くとして批判された銀行や企業の株式持ち合いですが、その解消と引き換えに、外人の影響力が大きく増すことになりました。2015年にはフローの取引の7割を外人が占めており、株式市場は外人に牛耳られていると言っても過言ではない状況です。*1

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これと関連しますが、株主重視経営への転換は、人件費抑制・非正規雇用化を進めることによって、日本経済を「名目成長できない体質」へと変えてしまいました。

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株主重視経営がマクロ経済に与える悪影響は、本家のアメリカよりも日本の方が圧倒的に大きいようですが、これは、外来種が爆発的に勢力を拡大する構図と同じと考えられます。株主重視経営が時間をかけて広がったアメリカでは、それに対抗する勢力も無視できませんが、日本では対抗勢力が事実上存在しなかったために、ブラックバスのように無敵状態となったのでしょう。

企業がこぞって人件費抑制と内部留保積み上げに励んだ結果、日本は中国人や東南アジア人に「爆買い」される情けない国へと地盤沈下してしまいましたが、現政権は日本を「世界で一番企業が活躍しやすい国」にするために、特区などによってさらに日本の資産と労働力を安売りするつもりのようです。

国家戦略特区の正体  外資に売られる日本 (集英社新書)

国家戦略特区の正体 外資に売られる日本 (集英社新書)

安倍首相のいう「世界で一番ビジネスがしやすい環境」の実像が見えてきたのではないだろうか。それは、労働基準法など整備されていなかった時代、あるいは人権意識が希薄で搾取が横行する開発途上国のような状況だ。SEZ*2は本来、途上国に設置されて効果を発揮するものだが、国家戦略特区構想は日本を途上国並みの労働環境に逆戻りさせようというものなのだ。

国にも、国民にもメリットがない。負担は国民と国民が支える国家へ、利益は企業へ。これが国家戦略特区の正体である。

SFが現実化してきたようです。*3

日本売ります (ハルキ文庫)

日本売ります (ハルキ文庫)

あなたの国だって、一見今までと何のかわりもない、今までどおりの忙しく、活発な生活がいとなまれているのに、その実、うらへまわってみれば、わけのわからないいりんくだしくみで、よその国の野郎にこっそり売りとばされているかも知れませんよ。…あの日本のように、そこに住んでる奴の誰もが気がつかないうちに、それこそ国ぐるみ、住んでる奴や建物ごっそり居抜きで、うすっ気味悪い奴に売りとばされているかも知れません。

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totb.hatenablog.com

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*1:注:グラフの金融機関は投資信託と年金信託を除く。

*2:[引用者注]Special Economic Zone(特別経済区)

*3:小松左京の『アメリカの壁』は、アメリカが異星人が残したテクノロジーを用いてバリアの中に引きこもる話ですが、トランプの「万里の長城」発言などを想起させます。