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[グラフ]内部留保の中身と人件費

二つ前の記事では、1998年度以降急増を続ける企業の内部留保の中心が投資有価証券であることを見ました。

財務省ファイナンス』2014年7月号の「法人企業統計からみる日本企業の内部留保(利益剰余金)と利益配分」では、

内部留保は手元資金として現金・預金で保有している可能性があるほか、長期保有を目的としている投資有価証券で運用されている可能性が高いと思われる。……海外子会社等の海外企業に対する投資の増加が寄与しているのではないかと推測される。*1

企業の設備投資は償却資産の範囲内で行える程度の維持更新を中心としたものであることが考えられ、企業は利益配分先として設備投資に積極的な姿勢には至っていないと考えられる。これは、投資有価証券のところで触れたが、昨今の海外現地法人等の増加から国内向けの設備投資よりも海外企業に対する投資に対し利益配分先としての優先度が置かれているのではないかと推測される。

と推測されています。 

抑制が続く人件費との比率をグラフで確認します。

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資本金10億円以上の企業では、投資有価証券の増加傾向がさらに顕著です。

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日本銀行の「資金循環」からも、対外直接投資が顕著に増加していることが確認できます。

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大企業が人件費を抑制→利益増大→優先的に海外投資」という構図です。日本経済はいわば「多量の献血を続けているために慢性的な貧血状態に陥っている」ようなものです。日本人が大好きな「身を削る構造改革」の実態です(→空洞化)。*2

削りすぎて衰弱死しても、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』のように天国に行けるとは思えませんが。

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*1:強調は引用者。

*2:1990年代後半から約20年間続けられる企業の経営改革が、日本からの「出血」を促進するものだったということ。日本人は「改革」すればするほど貧しくなるトラップにはまってしまっているのです。