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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

日本企業のトランスフォーメーション

財務省「法人企業統計」から、資本金10億円以上の全産業(除く金融保険業)の主要項目の推移をグラフで確認します。

人件費は1997年度のピークを下回り続けています。これは名目GDPと同じです。

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一方で、経常利益は「史上最長の景気拡大期」から顕著な増加に転じ、2015年度にはバブル期のピークの2倍に達しています。人件費に配当金や社内留保を合算したものも増加トレンドにあります。

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トレンドを見るために10年度移動平均します。

経常利益の増加が設備投資増加につながっていません。

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人件費が増えない理由が「賃上げ余力がない」ではなく「増益分が配当金と社内留保に回るため」であることも分かります。

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社内留保は投資有価証券に回っています。財テクではなく海外M&Aなどが主体と見られます(同時期から対外直接投資が急増)。

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同時期から営業外収益が顕著に増加しています。投資有価証券からの配当収益と見られます。

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1997-2003年度のリストラクチャリング期の前後で、企業の行動原理が「労働者軽視/株主重視」に激変したことが分かります。日本経済停滞の主因は、日本銀行の金融緩和不足でも消費税増税でもなく、国民の多数が熱狂的に支持したネオリベラル構造改革だということです。*1

www.bloomberg.co.jp

潤沢な資金を持つ強者対安い賃金で働かされる弱者ー。国際通貨基金IMF)は日本の企業と被雇用者の関係をこのようにみる。労働市場のこの問題に対策を講じなければ日本全体が敗者になると、対日審査責任者のリュック・エフェラールト氏が指摘した。

同氏は東京でのインタビューで、日本の「労働者の賃金交渉力が弱くなり過ぎたことを懸念している。日本の労働市場は雇用主に有利な柔軟性が高くなり過ぎた」と語った。

ネオリベ勢力の日銀批判は、国民の目を主因からそらすことが目的でしょう。

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補足

ネオリベ改革では、

  • 日本人労働者から外国人株主への所得移転
  • 公共投資削減による地方経済の衰退

が図られました。これが東京一極集中と日本全体の衰退を招いていますが、それでもなお改革派を自称するネオリベ勢力が支持され続けるのが不思議です。日本人は正気なのでしょうか。

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*1:「ぶっ壊す!」を支持したら、自分たちの生活基盤がぶっ壊されたわけです。