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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

法人税減税分は株主の懐に

 麻生財務大臣の疑問に答えてみます。

www.sankei.com

法人税を下げて、その税金をどこに使うんですか。また内部留保ですか。

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財務省「法人企業統計」の全産業(金融業、保険業を除く)に基づいて検証します。

当期純利益は急増していますが、法人税等は横ばいです。

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法人税等と税引前当期純利益の比率は企業のリストラクチャリングが完了した2003年度頃から急低下しています(リーマンショック期を除く)。

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この比率が上のグラフで赤線で示した56%で継続していたとすると、2015年度には法人税等は約15兆円減税されたことになります。

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この数値と対応しているのが配当金の増加です。2015年度の配当金は2003年度比+15兆円です。 

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減税分は主に外人投資家などの株主の懐に入ったことになります。

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これだけ設備が老朽化していて、金利がただ同然の時代にどうして進まないのか知りませんが設備投資が8兆円。残りはじーっと持っておられる。何のために。

法人税減税・配当金増加と同じタイミングで、設備投資がキャッシュフロー(=減価償却費+社内留保)を下回るようになっています。*1

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麻生大臣はコーポレートガバナンス改革やスチュワードシップ・コードが賃上げや設備投資増につながると考えているようですが、

そういった話は金融の方もぜひパートナーとして、企業との間でコミュニケーションをさらに良くしてもらうということが大事なので、コーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)だとか、スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)だとか、いろんな話をやらせていただいてます。

むしろ逆効果になるであろうことは過去記事で検証しています。グローバル企業が利益率重視の経営を追求すると、国内市場よりも海外市場を重視するようになります。日本企業による"Japan passing"がデフレと日本経済停滞の根本原因です。

いい加減、株主の利益を増やすための構造改革(ニセ医学?)が日本経済を衰弱させていることに気付いてもらいたいものです。*2

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*1:上下が逆になっていたので訂正しました。

*2:大衆を煽動する「改革派」は、日本を破局に導くハーメルンの笛吹き男のようなものです。