読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

[グラフ]利益が増えても賃上げしない日本企業

日本経済団体連合会の榊原会長が次のようにコメントしたそうです。

www.huffingtonpost.jp

榊原氏は、収益が拡大した企業に賃上げを求めることは引き続き行うとしながらも「過去3年賃金引上げを続けているにもかかわらず個人消費が伸びていない」とコメント。

賃金の推移をグラフで確認します。

f:id:prof_nemuro:20170112013324g:plain

f:id:prof_nemuro:20170112013323g:plain

未だに「企業が賃上げしないのは景気が上向いて利益が増加しないから」と考えている人もいますが、

www.huffingtonpost.jp

まず、「賃上げ要請」だが、そもそも政府が民間企業に賃上げを要請すること自体が間違っている。企業が賃上げするのは景気が上向き、業績が上がって利益が増加した場合に限られるのが常識だ。

利益が大幅に増えても人件費は増えません。

f:id:prof_nemuro:20170112013321g:plain

f:id:prof_nemuro:20170112013322g:plain

利益剰余金(≒内部留保)は急ピッチで積み上がっています。

f:id:prof_nemuro:20170112013320g:plain

生産性上昇が賃金に反映されない異常事態が20年近く続いています。*1

f:id:prof_nemuro:20170112021309g:plain

1997~2003年頃のリストラクチャリング期を境に、日本企業の行動原理は大転換を遂げています(詳しくは下の関連記事を)。マクロ経済=犬、企業=尻尾とすると、過去の常識は「犬が尻尾を振る」でしたが、現在では「尻尾が犬を振り回す」になっています。「景気が上向かないから企業は賃上げしない」のではなく、「利益が増えても企業が賃上げしないから景気が弱い」がnew normalになっているのです。

過去の常識に囚われて「政府が民間企業に賃上げを要請すること自体が間違っている」と無為無策を続ければ「日本全体が敗者になる」でしょう。

www.bloomberg.co.jp

潤沢な資金を持つ強者対安い賃金で働かされる弱者ー。国際通貨基金IMF)は日本の企業と被雇用者の関係をこのようにみる。労働市場のこの問題に対策を講じなければ日本全体が敗者になると、対日審査責任者のリュック・エフェラールト氏が指摘した。

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

*1:グラフの黄緑線はGDP per hour workedとunit labour cost (by persons employed)の積。