Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

「平和に衰退する日本」はフェミニストが望んだ世界そのもの

勝ち組・上野千鶴子(68歳)が「平等に貧しくなろう」と言っています(もちろん「自分は除く」でしょう)。*1

日本人は多文化共生に耐えられないでしょう。

だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。

3年前にも同趣旨の発言をしていました。

woman.type.jp

今の日本が成長社会ではなく、“成熟社会”に入っているのは明白な事実。人間の一生に例えれば、穏やかな老後に入りつつあります。だから、現在20代や30代の若い女性たちも、ゆっくりまったりと生きていけばいいじゃないですか。成熟期の社会では、皆が髪を振り乱して働き、他人を蹴落としてまで成長していかなくてもいいんですから。賃金が上がらないといっても、外食せずに家で鍋をつついて、100円レンタルのDVDを見て、ユニクロを着ていれば、十分に生きて行けるし、幸せでしょう?*2

上野の「平和に衰退していく」は、以前の発言と思い出させます。

バックラッシュ!  なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?

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めんどうくさがる男たちが、実際のインタラクションから完全に撤退してくれたら、それはそれでいい。ギャルゲーでヌキながら、性犯罪を犯さずに、平和に滅びていってくれればいい。そうすれば、ノイズ嫌いでめんどうくさがりやの男を、再生産しないですみますから。

ただし、そうなった場合、彼らの老後が不良債権化するかもしれませんね。ところが、彼らが間違って子どもをつくったらたいへんです。子どもって、コントロールできないノイズだから。ノイズ嫌いの親のもとに生まれてきた子どもにとっては受難ですよ。そう考えてみると、少子化はぜんぜんOKだと思います。

これ以外にも「馬鹿男」バッシングを繰り返しています。

president.jp

「プレジデント読者の奥さんだって、仕事をさせたら自分よりよっぽど優秀なんじゃない? それを、たった一人の馬鹿男に仕えさせてさ(笑)」

president.jp

正規雇用者の給料を下げて、夫に600万円払っているのなら、夫に300万円、妻に300万円払うようにすれば、納税者も増えます。

上野によれば、

  • コミュ障オタク男は子供を残さずに一人で死ね
  • 少子化でも無問題
  • 馬鹿男に高い給料を払うな
  • 男女共に低賃金で働け(ただしエリートは除く)
  • 低賃金でも十分に幸せだろう

ですが、まさに上野の望んだ世界が実現しています。

上野はWoman typeのインタビューで「日本の女たちは追いつめられているのです」と女を男社会の被害者扱いしていますが、被害者になっているのは多くの男も同じです。

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その原因はフェミニズムリベラリズムネオリベラリズムと結託して経済社会システムを大きく変えたことにあります。

バックラッシュ!  なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?

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男女共同参画社会は、新自由主義的なベクトルとフェミニズムとの妥協の産物だ」というのは、100パーセント正しいと思います。

出生率を高めるのであれば、女が結婚において重視する男の経済力(≒給与水準&雇用の安定)を高めなければなりませんが、現実に行われたのはネオリベラリズムの要求に応えた雇用破壊でした。

totb.hatenablog.com

これとよく似た社会状況は、第一次大戦後のドイツでも現出していました。

ヒットラーの社会革命―1933~39年のナチ・ドイツにおける階級とステイ

ヒットラーの社会革命―1933~39年のナチ・ドイツにおける階級とステイ

「過去の婦人運動は36人の婦人国会議員と数十万のドイツ女性を大都市の路上に狩り出した」と、ある女性の党支持者は書いた。「それは1人の女性を高級官僚にし、数十万の女性を資本主義的経済秩序の賃金奴隷たらしめた。働く権利を奪われている男はいまや約600万もいる。女だけが、安価でいつでも利用できる搾取の対象として、いまなお仕事を見つけることができるのである」。

その結果がスペック不足のために結婚できない男の増加です。少子化の主因は女に対する男の相対的スペック(主に経済力)の低下です。

人間性はどこから来たか―サル学からのアプローチ (学術選書)

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男の方が女より配偶相手を選り好みしない傾向が認められる。

多くの社会で、配偶者の選択の基準は男女で異なる。新夫に求められる資質は、「よき提供者」たることで、将来経済的・社会的に高いステータスにつくことが求められる。

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結局のところ、

  • 「女の社会進出」のために馬鹿男の給料を引き下げる→非婚化→少子化→衰退を受け入れよ

という上野の望んだ世界が実現しているわけです。

自分たちの理想(男女共同参画、大量の移民受け入れ、etc.)によって自国民が不幸になっても何の道徳的責任も感じたりしない点でも、左派/リベラル/フェミニストネオリベラルは同じです。*3

自己の利益を最大化することで、かりに他者が不幸になったとしてもそれに何の道徳的責任を感じたりしない「合理的精神」こそが、自由競争の勝者に求められる資質であると言っても過言ではないだろう。

続く⇩

totb.hatenablog.com

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男性不況――「男の職場崩壊」が日本を変える

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付録

上野の「多文化共生に耐えられないでしょう」は現実的な判断でしょう。高齢者だらけの日本に途上国の若い男が大量に流入すればどうなるかは火を見るよりも明らかです(下は参考記事)。

www.thelocal.se

「多文化共生するべきだ」という願望を「多文化共生に耐えられない」という現実判断と混同してはなりません。上野を批判する人々は、「アメリカに戦争で勝つ」という願望の悲劇的結末を忘れたのでしょうか。

補足

デービッド・アトキンソンの生産性に関する事実誤認については過去記事を参照してください。

totb.hatenablog.com

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*1:衰退が平和裏に進む可能性はほぼゼロです。

*2:強調は引用者、以下同。

*3:近年の欧米社会の混迷は、左派/リベラルが理想を国民の幸福よりも優先することの好例です。歴史を遡れば、フランス革命ポル・ポトなど、理想社会建設の名の下に大量虐殺が行われたことも珍しくありません。