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Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

雇用における男女平等と不平等

3月14日の経済財政諮問会議に招聘されたスティグリッツの提出資料や

Helping women participate in labor force—especially important for Japan

フランスのレギュラシオン学派のボワイエの近著*1に見られるように、

作られた不平等 〔日本、中国、アメリカ、そしてヨーロッパ〕

作られた不平等 〔日本、中国、アメリカ、そしてヨーロッパ〕

男女間の地位の不平等が、日本経済の活力を構造化していく点で決定的な役割を果たすことになる。

OECD諸国の女性労働力率にくらべて日本のそれは極めて低いままにとどまっているのであり、そのことに示される能力の損失を考えてみるとよい。 

「日本の女は労働参加を阻害されている」と認識している欧米人が多いようです。

しかし、女の労働力率は急速に高まっています。

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OECD諸国と比べて「極めて低いままにとどまっている」は明らかな事実誤認です。

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雇用に占める女の割合を経済全体と公的セクターに分けて比べると、興味深い事実が浮かび上がります。

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主要国中、この差が最小なのが日本で、最大が北欧諸国です。

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スウェーデンでは女の4割弱が地方自治体で働いています。

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北欧では1970年代に政府部門(主に地方自治体)が教育や保健分野で雇用を大量に増やしましたが、その多くが女です。

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労働時間は女<男です。北欧でも男女の働き方は同じではありません。

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つまり、

  • 北欧:公的セクターにおける男女差(女>男)→経済全体での男女平等
  • 日本:公的セクターにおける男女平等→経済全体での男女差(男>女)

ということです。見方を変えれば最も男女平等なのは日本で、ヨーロッパは政府が肩入れして女の雇用を作っているとも言えます。

もっとも公的雇用には労働者とサービスの受益者の双方にメリットがあります。民間に任せるとこうなってしまうからです。

toyokeizai.net

公立の園だと1歳児4人に保育士1人など、手厚い配置になることがある。民間だと1歳児6人に保育士1人と、『最低基準』のままです。

www.sankei.com

president.jp

「今、新卒女子の約半数が非正規労働市場に入るんですよ。これでは先が見えず、子どもなんて産めません。一方、正社員として就職できた女性はハッピーかといえばそうでもない。男並みに働いて疲弊するか、2級労働者として扱われるか。我々世代は、女がこんなに生きづらい社会しかつくれなかったのかと思うと、忸怩たる思いです」

民間競争は製造業などのprogressive sectorでは生産性向上を促進しますが、保育や介護など生産性向上が難しいstagnant sectorでは過度のコスト削減(→質の低下and/or労働強化)に陥りがちです。

緊縮財政下での「女性が輝く社会」が「女にとって苛酷な社会」になることには要注意です。

男女平等の社会、つまり、男にも同じような機会を与えるかわりに、同じような仕事も課すような社会は、かえって女にとって苛酷な社会のように思われてなりません。与えられた能力を十分に発揮しあうことが平等の真の意味だと思われるからです。

totb.hatenablog.com

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*1:この本はお勧め。